掴み取れ、強さを。【TOKYO MER】 (ページ39)

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どんな風_s.T ページ39

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「今日いつにも増してボケてる」

『ボケてない』

「打ちミス多い」

『それはごめん』

「白衣は？」

『どこに置いたか覚えてない』

「頼んだ資料は？」

『それは出来てる！』

……どこの夫婦の、言い争い？？

そう、思ったのは俺だけじゃないっぽい

「音羽先生とA先生、最近いい感じですね」

「そう思う？」

「あれはどう見ても、いい感じ。」

「てかA先生最近ずっといますよね、」

「勉強されてるそうです、家だと集中できないからってここに泊まり込みで」

「泊まり込み！？ってことは喜多見チーフと一緒にここに泊まってるってことですか？」

大きい声でそう言ったから話の内容が
先輩まで聞こえてしまった。

『お前も一回ここに泊まり込んでみな？意外と生活できて家に帰るのも面倒ってなるから』

「やですよ。もうそれ実質24時間勤務みたいなもんじゃないですか」

『まじで、それでもいい。』

「まさに天職ですね、A先生にとっては」

『そうですよ、ほんと天職です。充実してます』

そう言いながら、
ペンを持って参考書と向き合っている。
たまに比奈先生に勉強を教えながら。

「あっ！A先生！！」

『え、どうしました？浅見先生』

「実は、今電話があって大動脈瘤破裂の患者さんが運ばれてきたそうで…血管専門の外科医がいないってことと向こうに人手が足りないらしく……こっちも手一杯で…………」

『向こうの病院の教授たちは？』

「それが…席を外していて、今病院にいるのは研修医と新人の医者だそうです…」

普通、そんなことはあり得ないだろう。

その病院はここから5キロも離れていない。

「搬送は無理そうと、研修医が…テーブルデスになる可能性だって高いらしく…でも教授は研修医の意見どうこうより搬送しろと」

『一刻を争いますね、すぐに行きます』

そうA先生がいった瞬間

都庁危機管理対策室から伝達があって、
MERに出動要請がかかった。
なかなかない小規模医療事案及び予防的医療事案

「準備しましょう！！A先生はイヤホンマイク持ってそっちへ行ってください」

『すいません！！TO3借りるよ！！』

「了解です！」

『手術が終わったら、向かいます』

「わかりました」