責任転嫁 ページ7
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『うーん…2人とも関係ないやん。やったのあの男やし。恵には呪術師になる未来が決まってても、今を生きる選択肢は与えてあげたいし、津美紀にはこれから色んなことやってみて、好きな事見つけて欲しい』
「ほんと、優しいね」
信じたくなかった。
俺はAさんや眞矢が大好きで
いつもありがとうって思ってるのに
Aさんの大切な人を殺したヤツと血が繋がってるなんて
当時の俺には負担すぎた。
どうせなら、虐げられた方が良かったかもしれない
だって大事な人を殺した奴の息子なんだから。
俺が享受できる幸せなんかなかったんだと思ったほうが気が楽だったのに
「今度和真の墓参り付き合う」
『うん、お父さんと……それからお母さんのお墓にも行こうかな』
「行くんだ」
『一応、親だし』
空気はとても重たかった。
『てか恵と津美紀ね最初のほうは結構2人ともウチの人たちに遠慮しててんけど、最近はみんな仲ようなったみたいやで、楽しそうに宿題教えてあげてんねん、組員に』
「普通逆でしょ」
『だってみんな学校真面目に言ってなかったからさ』
でもあまりに、Aさんの心が綺麗で
いっその事嫌ってくれと思いたいのに
嫌われたくない俺もいてジレンマに陥ってしまった
「恵、そこいるなら出ておいでよ」
『あれ、起きとっ…え″?あんたどうしたん!?なんで泣いてんの?しんどい?』
あの日は、上手く感情を言葉にできなくて
ソファで寝るAさんの膝の上で泣きながら
気づいていた時にはベッドで寝ていて、その隣にAさんが座ってたまま寝ていた姿を思い出す。
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作者名:Lerian | 作成日時:2023年1月12日 1時