睡魔と地獄 ページ36
阿鼻叫喚｡
この言葉は今この状況を表すために作られたんじゃないかと疑うほど､ハーツラビュル寮は荒れていた｡いや､荒れてるなんて生易しい物じゃない｡
狂ったように笑いながら魔法を連発するローズハート｡
それを必死に止めようとする学園長達｡
火に油を注ぐ馬鹿三人組+一匹｡
逃げまとう寮生達｡
自分の首についている首輪に手をやる｡手袋は外した｡途端､パキパキ､と音がして首輪が氷になる｡俺はそれを折った｡もうそれはそれは渾身の力を込めて折った｡触れると氷になるのは魔法と言うより体質だから魔法封じは効かない｡
これ以上魔法を連発してはいけない｡ダイヤモンド先輩もそう言ってる｡あの様子じゃきっと二人の制止の声も耳に入っていないんだろう｡
エ｢そうやってすぐ癇癪起こすところが赤ん坊だって言ってんの!｣
貴｢もうお前黙っとけ!｣
ロ｢今すぐ撤回しろ!串刺しにされたいのか!?｣
制止の声は聞こえないのにエースの言葉には反応するのか｡何でだよ!
エ｢やだね､絶対にしねぇ!｣
ロ｢うぎぃぃぃ!｣
…このままだと洒落にならないな｡怪我人が出る｡最悪､死人も……｡
ケ｢ガチでヤバイって!お前ら逃げろ!｣
凄く焦った様子で避難を呼び掛けるダイヤモンド先輩｡焦りすぎて取り繕うのも忘れてる｡
一応言っとくけど､俺も別に焦ってない訳じゃない｡訳がない｡
でも｡
自惚れに聞こえるかもしれないが､学園長を除き今この場にいる中で一番魔法が強いのは俺だ｡これでも何度か死線を潜り抜けてきたんだ｡
俺が､何とかしなきゃ｡
物凄い音がした｡砂埃が舞って､辺りの様子が確認できない｡やっと視界が鮮明になった｡
＿＿＿驚愕｡
ここは本当に地獄だったみたい｡先程まであんなに綺麗だったのに､まるでここだけ大地震が起きたかのようだった｡地面を掘り起こしたみたいに荒れ､変わり果てている｡
そして何より､空中に浮いている薔薇の木々｡
まさか｡
デ｢まさかあれ全部で突っ込んでくる気か?!｣
貴｢やめろ!そんなに魔法を使うとお前の身が持たなくなるぞローズハート!｣
やはり､というべきか､俺の声は聞こえていない｡
ロ｢薔薇の木よ､彼奴等をバラバラにして仕舞えーっ!｣
どうする｡どうするどうするどうする!
フローズン･エンパイアは触れないと発動しない｡プロミスは時間がかかる｡どうすれば…!
薔薇の木はもう､目前に迫っていた｡
目を瞑ることさえできない｡
まさにぶつかる､その瞬間｡
ぱらぱらぱら､と目の前にトランプが舞った｡
終わり
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あんこ入りのよもぎもち｡(プロフ) - ラッコちゃん信者さん» コメント有り難う御座います!主人公をﾞこれだけは譲れないﾞという信念を持った芯の強い人間にしたくて､そこを大切にしていたので､そう言って頂けてとても嬉しいです｡これからも主人公君を宜しくお願い致します! (2021年8月8日 23時) (
レス) id: 002ae44b05 (このIDを非表示/違反報告)
ラッコちゃん信者 - 夢主君の「普通を押し付けられることが嫌い」て言うのが本当に好きだなってなりました。お話もキャラクターとの関係性も本当に大好きです！！ (2021年8月8日 22時) (レス) id: 4e0d7a65ba (このIDを非表示/違反報告)
あんこ入りのよもぎもち｡(プロフ) - 凌空さん» コメント有り難うございます!か､神作?!いえいえ､駄作ですよ!でも､そう言って頂けて嬉しいです､有り難う御座います｡ゆるゆるっと更新していくので､どうぞ宜しくお願いしますm(__)m (2021年7月31日 14時) (レス) id: 002ae44b05 (このIDを非表示/違反報告)
凌空 - え、あ、好きです。大好きです。アイラブユーです。何この神作 (2021年7月31日 3時) (レス) id: 0baa0f9de6 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ入りのよもぎもち｡(プロフ) - つくもさん» 有り難うございまぁぁぁぁぁぁぁす!!! (2021年7月31日 1時) (レス) id: 002ae44b05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ入りのよもぎもち｡ | 作成日時：2021年5月14日 19時
