雛102匹：罵詈 ページ7
｢そして雛の少女！君はどういう経緯で鬼殺隊に入ったんだ｣
｢唐突ですね…｣
これまた苦笑いする。
行き当たりばったりとよく似た質問には毎度ひやひやとさせられる。
天井を眺めて、そうだなぁと口を開く。
｢…親に捨てられて…拾ってくれた里親が師範に私を手渡して…って感じですかね｣
｢ほぅ｣
本当にそうだ
立派な目標とかあるわけでもないし、私は故郷に帰れさえすればいい。
目の前の男から、大変だったなと声がかかる。
同情にしか聞こえないそれに、何を言うと心の中で本音がこぼれ、俯いて唇を噛みしめた。
今の方がもっと大変だ。きついし汚れるし鬼きもいし。私は下町にいればほぼ将来安泰だったんだぞ。玉の輿さえすれば里のみんなに恩返しが出来る。これ以上無い贈り物だろう。
だが今はどうした。それがかすんで見えるほどに遠くなってしまった。
連絡できない会えない話せない。私の幸せはいつ巡ってくるのだろうと何度考えたことか。
苛立ちに似た気持ちがどこからか沸き上がり、窓の外に目をやる。
日が落ちはじめた景色が、速度を上げて流れてゆく。もうじき鬼の出る夜になる。
外に視線をやったまま、聞こえるか聞こえないかの小さな声で、まぁ…。とぶっきらぼうに吐き捨てた。
｢命なんて山ほどあるし…その一つを救ったからって、なにになるのかわかんないけど｣
そう、命なんて腐るほどある
今どこかで人が死に、またどこかでは産まれている。それが未来永劫続くと私は知っている。
＿にもかかわらず、ぴくりと肩を揺らし、纏う雰囲気を変えた男に私は驚いた。
煉獄さんは先程まで浮かべていた笑みを消し、こちらをじっと見つめ返す。
｢＿＿俺は、｣
｢…｣
｢とんだ勘違いをしていたようだな｣
そう言って固く腕を組み直した。
思わず、作り笑いが崩れた。はっ？とこぼした私に頷き再度口を開く。
｢たしかに＿師範代の意志を継子が継いでいくとは限らんからな｣
｢さっきからなにを…｣
｢俺は、君を少し過剰評価しすぎていたのかもしれん｣
何事かとこちらを向く彼等が、先程までの話を真面目に聞いていなくて良かったと安堵する。
褒めたと思ったらこれですか？何故私が罵詈を受けなければならないの？
｢＿…切符を拝見いたします｣
｢あぁ、はい｣
善逸が三人分の切符を駅員に手渡す
放心する私を余所に、切符が切られる音を耳もとで聴いた
＿＿…そして、落ちた
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砂糖しぁっ。(プロフ) - うささる@さん» なんと！夢主ちゃんも応援してくださるのですね…！？コメントありがとうございます！空いた時間で更新していくのでよろしくおねがいします！！ (2020年2月23日 9時) (
レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - おもちさん» わぁぁこちらこそぉぉ。なんかチャットになりつつあるかなぁと私の自己判断でしたことで…すみません。ゆっくり更新するので気長にお待ちくださいー。 (2020年2月23日 9時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
うささる@(プロフ) - 先が気になります！主ちゃんも砂糖さんも応援しているので、自分のペースでがんばってください！！ (2020年2月23日 8時) (レス) id: 12e32336a9 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - お話を読み返すのも楽しいので無理しないで下さいね？応援してます(*^^*) 間違えてたらすみません、前のコメントで不適切なことを書いてしまったかなと思いまして、、もしそうなら申し訳ないです。 (2020年2月23日 7時) (レス) id: 203d84a786 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - おもちさん» なにせ裏表の激しい子ですから…。とくに人が見ていなければ言っちゃうもんですこの子は…。なにせ頑固な子ですから……))そんな夢ちゃんですがこれからも暖かく見守ってやってください (2020年1月28日 0時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂糖しぁっ。 | 作成日時：2020年1月13日 17時
