雛97匹:別れ ページ2
鴉が昼過ぎにはここを出ろと急かすので、ゆっくりと朝食を食べるヒマもなく、私達は慌ただしく準備を整えた。
屋敷をでるまえ、お世話になった人達に挨拶しようと、私は部屋を順にまわっていった。
しのぶさんは昨日、夜更けに帰ってきたらしい。
その時、私は大量に鬼を切ったせいか予想以上にはやく寝付いてしまい、なにも話せていなかった。
一人お別れを言いにしのぶさんの所を訪ねるも、返ってきた言葉は
「皆、無事に帰ってきてくださいね」
という一言。
何ら変わりの無い表情で。
だいぶお世話になっちゃったなぁと思い返しながら、廊下を歩いた。
あの子にもお礼いわなきゃ。と考える。それから、ある一室を目指していた所、その本人は道中現れた。
「…カナヲちゃん!」
「!」
いつもの部屋から出て来る所だった。
私は数か月前に、カナヲちゃんに「友達になって」と言ったものの、それからまともに話せていなかった。
その謝罪をするべきなのか「えっと、あのね」とどもっていると、目の前のカナヲちゃんはきょろきょろと辺りを見回した。手の中にある何かを見つめるも、それを握り締めて顔をあげる。
「…いってらっしゃい」
こちらの様子を伺うような小さな声だった。
あらかじめ出て行く日程は伝えていたから、カナヲちゃんも、私がなにを言おうとしていたのか察したのだろう。
ただそれだけのこと。
皆普通に流してしまうところだけれど、私はぶんぶん頭を頷かせることで精一杯になるほど嬉しかった。
それからアオイちゃんに会い、きよちゃん、なほちゃん、すみちゃん達にもお礼を言い、とうとう私達は蝶屋敷をあとにした
♡
そして、今は任務……無限列車へと向かう途中。
列車を見たことがないのは伊之助達も同じようだった。
「えっ、もしかして皆列車見たことないの…?」
「うん?」
「見たことないな。俺が住んでたのは山奥だったし」
「まじかよ嘘だろ……だったら切符の買い方とかも知らないの?」
「知らないよね?」
「知らないよな」
「うそー…」
俺が住んでた所は皆知ってたけど…。とぼそりと呟いた善逸に対して、そこまで都会に住んでいたのかと目を開く。
「都会っ子だね、善逸さんは」
「そう、なのかな……?俺普通だと思ってたけど…」
「もしかしたら、俺達すごく田舎者なんじゃ…」
と、そこまで話した所で、今まで炭治郎の後ろに隠れていた伊之助が声をあげた
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砂糖しぁっ。(プロフ) - うささる@さん» なんと!夢主ちゃんも応援してくださるのですね…!?コメントありがとうございます!空いた時間で更新していくのでよろしくおねがいします!! (2020年2月23日 9時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - おもちさん» わぁぁこちらこそぉぉ。なんかチャットになりつつあるかなぁと私の自己判断でしたことで…すみません。ゆっくり更新するので気長にお待ちくださいー。 (2020年2月23日 9時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
うささる@(プロフ) - 先が気になります!主ちゃんも砂糖さんも応援しているので、自分のペースでがんばってください!! (2020年2月23日 8時) (レス) id: 12e32336a9 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - お話を読み返すのも楽しいので無理しないで下さいね?応援してます(*^^*) 間違えてたらすみません、前のコメントで不適切なことを書いてしまったかなと思いまして、、もしそうなら申し訳ないです。 (2020年2月23日 7時) (レス) id: 203d84a786 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - おもちさん» なにせ裏表の激しい子ですから…。とくに人が見ていなければ言っちゃうもんですこの子は…。なにせ頑固な子ですから……))そんな夢ちゃんですがこれからも暖かく見守ってやってください (2020年1月28日 0時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖しぁっ。 | 作成日時:2020年1月13日 17時