雛3匹：帰るため ページ4
え…？いやどういう状況？
全然意味わかんない。
えっとそのつまり、軽い怪我でもしようものなら包帯をグルグル巻きにされてミイラ状態になるほど壊れ物のように慎重に育てられたこの私を殺しの道へ歩かせようと？
鬼という恐ろしい容姿をした私とはほど遠い存在の化け物を殺す道へと私を行かせようと!?
｢えぇぇ！？嫌ですよ！！そんな血生臭い所になぜ私が！？｣
｢それは後々わかります」
｢嫌！わかりたくない！｣
勢いよく飛び起きて、部屋の扉に手をかける。だがその瞬間、女の人は変わらない調子で話した。
「ちなみに、ここは花の里から百里ほど離れています。回りは藤の花もなく、野生の鬼がうろつく危ない山ですよ」
『ひゃ、百里!!!?』
聞いたことも無いような桁に驚き、半分開けた戸にもたれかかった。
自分の手が頼りなく震えているのがわかる。
あの大好きな花の里。
皆、血の繋がっていない者同士の女の集落。
そこから私は、追放された……
｢嘘でしょう…｣
震える手に一粒、雫が落ちた。
そこから止まること無くポロポロと流れる。
｢……うっ…｣
藤の花の匂いが染みついた着物の袖で、自分の顔を覆った。
(嗚呼、きっと男が端から見たら、今も私は美しく映っているのだろうなぁ)
呑気なことを考えて見るも、それで気が紛れるほど私のメンタルは強くない。
そんな様子をみこした女の人が、うずくまる私の背中を、ゆっくりとさすった。
「おきゑさんは…」と口をひらく。
「おきゑさんは、貴女が里を旅立った後のことを心配して、私に預けたのよ。決して、里の人々やおきゑさんは、貴女を見捨ててはいない
藤の花の加護から抜け出した貴女が鬼に殺されないよう……幸せな一生を遂げてほしいという、切なる願いなの」
幸せな一生。切なる願い。
何と綺麗な言葉だろうか。
おきゑさんらしい。皆らしい。
何も言わずに大きな愛を注いでくれるところは、血は繋がってないのに似てるんだ。
｢…もしも｣
｢？」
｢もしも私が立派な鬼殺隊になり、鬼を倒せるほどの強さを手に入れたら、帰れますか｣
うわずった声だったが、気にせず続けた。
｢あの大好きな里に、私は、帰れますか…？｣
流れ続ける涙は無視して、女の人の顔を見上げた。
女の人の顔は驚くことに両目に隙間なく包帯が巻かれていた。彼女は、白い肌に映える赤い唇を動かし、そうね。と微笑んで見せた
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ゆきだるま(プロフ) - 砂糖しぁっ。さん» いえいえ〜全然構いませんよ〜！これからも頑張って下さい！応援してます〜+.(*'v`*)+ (2019年12月27日 13時) (
レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - ゆきだるまさん» どうも初めましてこんにちは！！指摘有り難うございます！！コメント全然気付きませんでした！！ごめんなさいそしてありがとう！！！ (2019年12月27日 12時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - どうも、初めまして！この小説を読み始めたのは最近なんですけど、すっごいハマりました…！頑張ってください！！それから、炭治郎の''郎"の字が"朗"になってますよ〜応援してます！ (2019年12月14日 8時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - くどはるさん» コメントありがとうございます！！いい意味でも悪い意味でも、裏切ります！(無駄にいきいきしてる)。続編制作中ですので、楽しみに待っていてください！！ヒロインちゃんまだまだがんばりますよ！！！！ (2019年8月29日 19時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
くどはる(プロフ) - いい意味で裏切られたような感じです！ヒロインちゃんに簡単には靡かない男性陣たちを見れて新鮮だしとっても面白かったです。続きが早くみたくて待ちきれないです！！ (2019年8月29日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂糖しぁっ。 | 作成日時：2019年7月6日 18時
