雛28匹：俺が ページ29
小さい頃から俺は耳がよかった。
その人の心音を聞いただけで、嘘をついているのかわかるくらい。
でも俺はいつも女の子にだまされた。
それが悪い子だと知ってもなお、信じたかったから、その子を信じた。
そのたびに、ひどい目にあった。
｢あのぉ｣
｢ひぇっ…！？｣
｢大丈夫？｣
振り向くとそこにいたのは、女の子だった。
しかも肌すごく白くて目も大きくて、人形みたいな可愛らしい子。
それがAちゃんだった。
Aちゃんの心音は、とても独特だった。
綺麗な音もあれば、驚愕するほど暗い音も。
でも、俺に話しかけた時はあまり良い音ではなかった。
｢(悲しい音に、嫌な音…。この子、もしかしてなんか俺を利用しようとしてる？あはは…可愛い顔して怖い子だなぁ。でも俺に声をかける子なんて、それくらいだよな)｣
不純な音はそれからずっと響いてた。炭治郎に助けを呼ぶときも、ずっと、ずっと。
でもたまに聴いてるこっちまで泣きたくなるくらいの悲しい音があった。
この子の過去になにがあったのかわからないけど、その時すごく、守らなきゃって思った。
直感だったんだ。
この子は自分で自分の身を滅ぼしちゃうタイプなんだって。そう思った。
それは誰よりも、人一倍優しい心を持っているからこそで、その不純な音にもみ消されてしまった本当の音……この子自身の素の音を、俺は聴きたいと思ってしまった。
俺はこの子を信じることにした。
そしてそれは当たった。
｢善逸さん！起きて！！｣
腰が抜けて下敷きにした障子の上で、俺は膝が…。と言い訳をして震えていた。
ああ、俺すごくかっこわるい。
俺が守るよ。なんて言っておきながら、結局なにもできないまんま。
｢でも…｣
｢はははっ…！今度こそ二人まとめて死んじまえ！！｣
俺の前に立って構えるAちゃん。
覚悟を決めたような、とても強い音だった。
俺だってやらなきゃ。こんな小さくて細い女の子が、がんばってるんだぞ…。肩脱臼してまで…！！
立ち上がろうと踏ん張ったそのとき…、Aちゃんの顔が、弾かれたように後ろにのけ反った。
赤い鮮血が飛び散る。
｢…ぁ…Aちゃんっ！！｣
部屋の奥まで飛ばされたAちゃんに駆け寄る。
顔をそっと持ち上げた。
なんとAちゃんの顔は、右顎から瞼にかけて、ざっくりと深く斬られてしまっていた。
＿それを見た瞬間、俺の中で何かが切れた音がした
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ゆきだるま(プロフ) - 砂糖しぁっ。さん» いえいえ〜全然構いませんよ〜！これからも頑張って下さい！応援してます〜+.(*'v`*)+ (2019年12月27日 13時) (
レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - ゆきだるまさん» どうも初めましてこんにちは！！指摘有り難うございます！！コメント全然気付きませんでした！！ごめんなさいそしてありがとう！！！ (2019年12月27日 12時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - どうも、初めまして！この小説を読み始めたのは最近なんですけど、すっごいハマりました…！頑張ってください！！それから、炭治郎の''郎"の字が"朗"になってますよ〜応援してます！ (2019年12月14日 8時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - くどはるさん» コメントありがとうございます！！いい意味でも悪い意味でも、裏切ります！(無駄にいきいきしてる)。続編制作中ですので、楽しみに待っていてください！！ヒロインちゃんまだまだがんばりますよ！！！！ (2019年8月29日 19時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
くどはる(プロフ) - いい意味で裏切られたような感じです！ヒロインちゃんに簡単には靡かない男性陣たちを見れて新鮮だしとっても面白かったです。続きが早くみたくて待ちきれないです！！ (2019年8月29日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂糖しぁっ。 | 作成日時：2019年7月6日 18時
