雛2匹:鬼殺隊 ページ3
その言葉を聞いて、私は体にかかった布団を投げ飛ばした
「おきゑさんが私を売ったんですか!!?」
「そうじゃないわ」
「絶対そうだ!私、おきゑさんのとっておいた黒餡蜜内緒でたべちゃったもん!言ってくれればそこら辺の男に買わせにいったのに!!」
「…おちついて」
おちつけるか!おきゑさんは私を邪魔と思ってたのか!?邪魔だと思って十三年も一緒に暮らしてたのか!?あんまりじゃないか!!!
顔を真っ赤にして泣きそうに訴える私に、おちついて。となだめて、女の人は私に水を差しだした。
見ず知らずの人から…。とさすがに戸惑ったが、毒は入れていませんよと先に言われてしまったので渋々受け取って喉に通した。
「…大丈夫?」
「…はい」
「…私とおきゑちゃんは、昔からの友人でね。前はよく花の里と故郷を往復していたのよ」
凛とした声音で、話し始める。
相変わらず暗くて見えないその顔に、もう恐怖を覚えることはなかった。
「それから何年も時が経って、疎遠になりつつあった…そんな中で、来年の春に貴女を預かって欲しい。との手紙が届いたの」
「はぁ…」
「…始めは混乱するでしょう。そこはゆっくり時間をかけて理解して」
理解しろって言われても…
信じられるわけがない。疎遠になりつつあった知り合いに、こんな可愛い愛娘を預けるか?普通ならしない。
たぶん、いつものおきゑさんなら、こんなことはしない。絶対に。
黒餡蜜が原因でないのなら、ますます怪しいじゃないか。この人。
「…そこで、この件で1番大事なことなんだけど…。
…貴女は、鬼を信じる?」
「…鬼ィ?」
あ、やばいいつもの猫撫で声が出た。
しまった。と口を閉じるも、先程の質問の答えを待っているようで大して気にする様子はなかった。
「鬼って…絵本にでてくるあの大きな?…そんなの…いないにきまってるじゃないですか…」
「…やはりね」
先程からこの人の言うことは信用できない。
なにをやはり。と思っているのだろうか。
「鬼は、いるの」
女の人は、着物の帯に手をかけた。
ツッ。と何かが着物にすべる音が聞こえると、その物体を、私につきだしてこう言った。
「藤の木に囲まれた花の里にはでることはなかっただろうけど、この国は悪意ある鬼が常に息をしながら跋扈しているの。
貴女は、それを根絶やしにする鬼殺隊に入るために私の元へきたのよ」
女の人の手に握られていたのは、刀だった。
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ゆきだるま(プロフ) - 砂糖しぁっ。さん» いえいえ〜全然構いませんよ〜!これからも頑張って下さい!応援してます〜+.(*'v`*)+ (2019年12月27日 13時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - ゆきだるまさん» どうも初めましてこんにちは!!指摘有り難うございます!!コメント全然気付きませんでした!!ごめんなさいそしてありがとう!!! (2019年12月27日 12時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - どうも、初めまして!この小説を読み始めたのは最近なんですけど、すっごいハマりました…!頑張ってください!!それから、炭治郎の''郎"の字が"朗"になってますよ〜応援してます! (2019年12月14日 8時) (レス) id: bda2441edd (このIDを非表示/違反報告)
砂糖しぁっ。(プロフ) - くどはるさん» コメントありがとうございます!!いい意味でも悪い意味でも、裏切ります!(無駄にいきいきしてる)。続編制作中ですので、楽しみに待っていてください!!ヒロインちゃんまだまだがんばりますよ!!!! (2019年8月29日 19時) (レス) id: 51da6414e6 (このIDを非表示/違反報告)
くどはる(プロフ) - いい意味で裏切られたような感じです!ヒロインちゃんに簡単には靡かない男性陣たちを見れて新鮮だしとっても面白かったです。続きが早くみたくて待ちきれないです!! (2019年8月29日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂糖しぁっ。 | 作成日時:2019年7月6日 18時