朧月〜oborozuki〜

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「あのここからは道が狭いので降りてもらえますか?」






せめてもの配慮で用意された車も道の狭さのために、久堂家に着くだいぶ前に下ろされてしまった。





降りたところにはたまたま大きな水たまりがあり、片足が浸かる。





重たい荷物をなんとか抱えながら、ゆっくりゆっくりと歩みを進める。






こんなところで立ち止まる訳にはいかない、





わたしには帰るところはないのだから。







進む以外の方法はない。







ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ





しばらく歩いてやっと着いた久堂家は思っていたものとは少し違ったものであった。







名家だという割にはこじんまりとした家のようだ。






コンコンコン





久堂家の扉を叩く。






わたしはまだ知らなかった。この出会いがわたしの人生わ大きく変えることになるなんて、、、。

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