教育実習生 ページ18
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ロッククライムは先に戻ると告げてそのまま行ってしまった。
鈍い足取りでそのままA組の教室へ向かった。
扉を開けると、もう相澤がいた。
HR中だったようだ。
相「遅い」
「…すみません」
うう、生徒たちの視線が痛い。
一通りの連絡事項を伝え終わった相澤がまた口を開いた。
相「で、さっきも伝えた通り金剛がうちに教育実習生って肩書きでつくことになった。学べる事はあるはずだ。で、今から好きに質問でも何でもしろ。俺は行く」
「…え」
相「お前も少しは交流しろ」
相澤は教室から出て行った。
「……じゃあ、何か質問ある？」
峰「スリーサイズを教えt…」
ズゴッ！！
峰田のこめかみの横を何かが物凄いスピードで通った。
峰「……」
皆「……」
峰田のこめかみを擦ったのはチョークだった。
ちなみにチョークは背後の壁に刺さっている。
「他に何か？」
緑「…目が笑ってない！」
飯「先ほど相澤先生がかつての担任であったと伺いましたが、本当なのでしょうか！」
クラス委員長だという飯田くんが挙手して聞いてきた。
「ああ、うん。そうだよ」
芦「へー！前もあんな感じだったんですか〜！」
「え？…あ、うん。今日もフルスロットルで合理的って感じ」
切「先生の時も個性把握テストで除籍って嘘あったんスか!?」
ああ、あれか。
「あれ、嘘じゃないよ？」
皆「え？」
「私の時は見込みなしで除籍になった人、いたよ。だから君たちはすごいなって期待してたんだけど」
本当の事と思った事を述べると皆からは「マジか…」という言葉がチラホラ聞こてきた。
本当に嘘だと思ってたのか…
上「あとこれ聞きたかった！先生彼氏いますかー!?」
「…！」
上鳴の言葉に反射的にAは眉をひそめた。
一部の生徒はほんの一瞬の動揺を不審に思った。
「……私みたいなおばさんにナンパするより、ちゃんと同年代の女の子ナンパしなさい」
瀬「おばさんて…先生いくつだよ」
「20歳。私、もう行くね。これからよろしく」
芦「4つしか違わないじゃん！じゃあ先生ってよりA先輩って感じだね！」
上「先輩もいいけど、Aちゃんって感じだな！」
この2人を皮切りに何故か先輩とちゃん付けコールが起こった。
「……好きにして」
Aはそのまま教室を出た。
私はこのまま本当にあの子たちについていいんだろうか…
私にはそんな余裕がない。
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作者名：安奈 | 作成日時：2017年9月19日 0時
