いちご水２ (ページ22)

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６８water ページ22

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繋がった部分から互いの鼓動が伝わり合う。

もう、どちらのかさえわからないくらい

休みなく届き

送り

繰り返されている。

今までに経験したことのない胸の鼓動に、

私は戸惑いを隠せずにいた。

彼の純粋な眼差しから

目を逸らさずにはいられなかった。

知り合ってから日が浅いこともあって、

こうした関係を＂友達＂と呼ぶには

まだ大袈裟すぎる。

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けれど、見ず知らずの誰かでもない。

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名前しか知らない相手だからこそ

弱さを見せなくたって許されるし、

それでいて強がらなくてもいい。

こうしてただ、他愛もなく流れていく時間は

まだとても充実したものとは言えない。

けれどそれほど居心地の悪いものでもないと、

私たちは口に出さずとも強く感じていた。

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♪～♪～♪～♪～♪～

その時、２人の間を流れる刺激的な静寂を切り裂いた音。

それは拓弥のジーンズの後ろポケットで震える

携帯電話の着信音だ。

その音をきっかけに拓弥の手が離れ、

止まりかけていた時間は

再び動き始める。

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『ちょっとごめん』

拓弥はそう言ったすぐ後、

面倒くさそうに携帯電話を開くと、

着信の相手を確認した。

そしてすぐさまボタン１つさえ押さずに

乱暴に閉じてみせる。

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「出なくていいの？」

『えっ、……ああ、後からかけ直すから』

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私は気づいていた

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拓弥の携帯電話が

会えば必ず１回は震えていること。

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