いちご水２ (ページ19)

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６５water＿T side ページ19

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その後、予報は見事に的中し、

ぽつぽつと降る小雨がコンクリートに水玉模様を描き始めた。

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『気を付けろよ』

俺は手のひらで大袈裟に雨粒をよけながら、

淡白にそう言い放つ。

その言葉をきっかけに、二人は別々の方向へと分かれている

それぞれの家路へと歩み出した。

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時間をかけて離れていく距離。

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背中の向こう側

遠くなる影に

後悔の念がふつふつと湧き上がる。

もし、このまま別れたとして、

名前しか知らないあの女とは、

きっともう二度と会うことはない。

たとえどこかですれ違ったとしても、

お互い声を掛けることもなければ

目を合わせることさえしないだろう。

これから先、会うことがないからといって、

自分の生活が変わるとか、

そんな極端なことは何一つない。

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ないのだけれど、

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それでも俺は、

後ろを振り返らずにはいられなかった。

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激しくなりつつある雨の音が

聴覚を邪魔する。

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女もまた、こっちを振り返っていて

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『………また』

最後にそう呟いた、俺の言葉が届いたのか、

そうでないのかはわからない。

根拠もない。約束もない。

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けれど

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また

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明日、この場所で

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君に会えると

信じることが出来たんだ。

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亀更新で

申し訳ありません( ; ; )

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ありがとうございます⌄̈⃝