一話「不吉なのは....」 ページ3
『平和だわ....』
「良いことじゃない？」
『そうなんだけど....』
窓の外を眺めながら呟いた彼女は、隣の男を流し見る
癖のついた黒髪の男は、薬品の整理をしていた
アルコールの匂いは、此処が医務室である事を嫌でも分からせる
『そらる、貴方は情報屋に左遷された筈だったんだけど』
「左遷とか言わないでくれる？
あれは臨時だから
やっぱり医務室の方が落ち着くんだよね」
『元諜報員の台詞とは思えないわね』
ヒラヒラと落ちていく紅い葉を見ていたAは、つまらなそうに立ち上がった
すかさずそらるの声が飛ぶ
「行き先と帰宅予定時刻」
『小学生か.....』
白衣の裾を翻し、部屋から出て行った小さな背を見送ったそらるは、薬品を納めて窓の外へ視線を移す
「平和.........か？」
窓の外では、退屈を持て余した兵士達が子供と戯れる姿
幹部も数名混じって騒いでいるのは嘆かわしいが、微笑ましい光景だと言えるだろう
だが彼の視線は空を向いていた
この国の付近では無い、もっと遠くの空
暗雲が渦巻く上空は、何か不吉なものを予感させた
「この国まで来なきゃいいんだけどね、あの雲」
しかしすぐに興味を失ったようで、備え付けのベッドに寝転がり仮眠を取り始めようとするが___
「Aーっ！
怪我したから治療してくれ！！」
「溝に落っこちて擦りむいちゃった....」
「キヨ、ヒラ、医務室では静かにっ！」
「あ"ぁ"っ、来たよ問題児....！」
立て続けにやって来る患者の相手に追われる内、いつしか暗雲の事は頭から消えていた
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ココア(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます！はい、元ネタは我々だの方々の実況です。対エイリアン、という単語にハッとしまして.....。更新頑張ります！！ (2017年7月1日 17時) (
レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 番外編、おめでとうございます!!楽しみです!!エイリアンは元ネタ我々だですか? (2017年6月30日 16時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココア | 作成日時：2017年6月29日 13時
