伸ばされたい（2） ページ7
｢ふーん。そんなことがあったんだ。｣
｢…なんだか冷たい反応だよね キミ。｣
何日かたったある日城の中でリンクとあった僕は何気なくこの間のAのことを言った。
｢というか。なんでこの誇り高きリト族の英傑たる僕が君みたいな一介の近衛兵出身の騎士に相談なんて…｣
｢なにそれ。｣
｢おやおや！怒ったのかい？ まぁ無理もないよね！優秀な者には誰だって羨むものだから…｣
そんな軽口を叩いていると…
｢…最近多いんだ。
Aを虐めている侍女たちが。｣
｢……なんだよ。その話。｣
初耳の話にいつもの皮肉も出ず 素直に聞き返せば ｢あまり話していいものじゃないけど…｣と付け加え 彼が語る。
｢シーカー族はハイラル族からあんまりいい印象を持ってない人がいるんだよ。…あとはまぁ、僕らに関わってるから、かな。｣
｢…なにそれ。｣
なんてくだらない。
｢要するに 一介の侍女風情が僕ら英傑と関われないのに Aは一緒にいるからってこと？｣
｢簡単にまとめればそうだと思う。｣
｢本当にくだらない。｣と吐き捨てるように言い僕はすぐさまそいつ等に一言言ってやろうと歩き出せば リンクに手を掴まれる。
｢なにさ。｣
｢それはAが望まない。｣
｢！｣
悔しそうにいうリンクに僕はわかってしまった。
彼だって ホントはなんとかしたいのに、あの子がそれを許さないんだ。
…馬鹿だな。彼女は。
｢……手を伸ばしてくれないと、助けられないじゃないか…｣
無力であること。
僕も彼も それがとても 腹ただしくて、
とても哀しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢乃ココロ | 作成日時：2018年2月3日 21時
