鬼呼ぶ使い (ページ37)

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何を想うかページ37

NoSide

お館様が去ったあとの屋敷の前は静寂に包まれていた。

そんな中、一番最初に口を開いたのは彼だった。

杏「俺達は、一体全体何を信じていたのだろう
　か。今までずっと一緒に居た霜花を裏切
　り、あいつを信じた。
　真実をも見分けられないなど、柱失格だ
　な。」

皆がその言葉に同感する。

実「人を守る以前に、傷つけちまったなァ…。
　どうやっても、心の傷ってのは拭えないも
　んだからなァ………。」

その場には重いどんよりとした空気が漂う。

しかし、声を張った者がいた。

し「皆さん、悲しんでる場合ですか！」

柱「！？」

し「確かに、皆さんがしたことは許しがたい行
　為です。ですが悲しみ、悔やむ時間はあり
　ません！」

「お館様が仰ったとおり、反省しているのであ
　れば、彼女に会い、謝罪をしてください！
　そして、また全員で仲良くしましょう!！」

「これは、お館様の願いであり、霜花さんの願
　いでもあります。
　彼女は、全員で笑い合う事を何よりの幸せだ
　と言っていました。」

「だから、悲しんでいる場合じゃありません！
　早く彼女達を見つけましょう！」

義「胡蝶の言うとおりだ。悲しむ事は後でもで
　きる。」

蜜「みんなで絶対に探し出しましょう！」

そんな、彼女達の声に皆は奮い立った。

天「確かに、胡蝶の言うとおりだな!!」

伊「そうだな、早く探すとしよう。」

杏「うむ!早く謝罪をしなければ！」

実「また、笑いあえるようにしないとなァ」

無「そうだね、色々と世話になってたし。」

悲「取り返しのつかなくなる前に見つけ出さな
　ければ…」

彼らの思いは重なり

今、新たに進んだ。

希望の光が差し込み

運命は明るく照らされ

ハッピーエンドへと進んでいく＿＿＿＿

しかし、もう歯車は狂っていることに彼らは気づきもしないだろう。