夏真っ盛り、某日某所、幽霊と。【オリジナル】 (ページ1)

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１－１　「つまらない夏」の模範解答はこちら。ページ1

突然だが、肝試しをしたことはあるだろうか。

　例えば漫画やらラノベやらアニメやらならば、夏休み回の大イベントとして取り扱われるような題材であろう。

　___しかし、考えてみると、実際にはどうだろう。夏休みのイベントといえばエアコンの効いた涼しい部屋でキンキンに冷えたジュースなんかを飲みながらゲームをするというのが最近の子供たちの定番ではなかろうか。

　虫取り、海水浴、プールなど、そういった楽しい娯楽もあるくせに、やれ紫外線が怖いだの熱中症が怖いだの学校でプールの時間についた水着の日焼けの痕を衆目に晒すのが恥ずかしいだのと、最近の若いもんはと昭和生まれの方々に口々に言われそうな言い訳を並べに並べ、結局外にすら出ないというのも、すっかり最近は夏の定番である。

　でもこの世にあるCO2を減らして平均気温を下げてやってもみんな同じことを言いそうな気がするね。まあ、何というか、「最近の若いもんは」、面倒くさがりなのだ。ただ単に。いや、僕もその「若いもん」に含まれるような年代ではあるんだけど。高校1,2年くらいがそうなんじゃないかな。僕は現在高校2年生だから。

　…とにかく、せっかくの夏のイベントがそれとは、実につまらないと思うって話。
　そんなことを言っている僕はといえば、夏のイベントはド田舎のおばあちゃん家への帰省、そこで会う年下の二人の従妹達の遊びに付き合ったりその近くで開催される夏祭りに行ったりなど、中々有意義な夏休みを過ごしているのではなかろうか。これなら少なくとも僕は最近の若い以下略とは言われないんじゃないかと思うね。別に言われませんようにと懇願してるわけでもないけどさ。

　それでは、そろそろ肝試しがどうのって言う話に戻ろうかな。

　某年8月某日、僕は現在、夏の自分的特大イベントである「ド田舎のおばあちゃん家への帰省」の真っ最中だった。

　色々と考えを巡らせながら縁側に腰掛け、延々と照り続ける太陽の中アイスを食べる高校2年生の僕と、隣に同じくアイスを食べながら縁側に腰掛ける小３の2人の従妹達。…おや、この二人、アイスを舐めるタイミングが見事に同時になっている。双子だっけ、そういえば。男女の双子だからかあんまり顔は似ていない。従妹達とアイスを縁側で、ってね。中々伝統的な光景じゃないだろうか。なんだか本のタイトルになりそうなワードだな。

　…事の発端は、そんなのどかな午後の縁側で発生した会話だった。

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