佐久間の色の明日【5】 (ページ8)

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三宅side

「はぁ？イノッチだってこっちが良いって言ってたじゃん！」

井「いやいや、俺はこっちの方が健によく似合うなーって思ったからさ」

「マジで、センスないわー」

今日は、珍しくイノッチと事務所に来てる。

ちょっと仕事があったから寄ったって感じなんだけど。

解散してから、今までよりも劇的に会う頻度は落ちたわけで。

だから、こうやって会うと、すごい話が盛り上がっちゃって

「ん？あれ、佐久間？」

事務所内をイノッチとウロウロしてたら、見覚えあるピンクの髪の毛に、

俺と同じで小柄な奴が。

「佐久間」

佐「．．．あっ、健君．．．井ノ原君も。

．．．おはようございます」

佐久間は、これまで見たことがないくらいに、悲しそうな顔をしてた。

「どうした？佐久間。

なんかあったのか？」

佐「いえ、．．．大丈夫です」

いや、大丈夫って言われてもな。

説得力ないぞ。

佐「すみません、せっかく2人でいらしてたのに。

では失礼します」

そう言って、無理やり俺らの前から去ろうとする佐久間の手を

．．．俺

井「待ちな」

ではなく、イノッチが。

井「やっぱり、佐久間君。

君、熱あるでしょ？

それも、だいぶ高いよ？大丈夫？」

「おいっ！．．．マジだ．．．お前、いつから」

触れた佐久間の身体はあまりにも熱くて、

こっちが火傷しそうなくらいだった。

佐「平気です．．．から、離してください」

何なんだよ、いつもは聞き分けのいい奴なのに。

「佐久間、とりあえず、こっちに座れ」

そう言って、もう一回同じ場所に腰かけさせた。