佐久間の色の明日【5】 (ページ4)

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宮舘side

「はい、熱いから気を付けて」

佐久間、メンバーの中では猫舌な方だから

少し冷やしてきたけど、

佐「あちっ！」

まだ熱かったみたい。

「食べ終わったら、薬もちゃんと飲め」

佐「ありがとっ、涼太」

いつも元気印のアイツの顔が今は、

寂しそう。

「佐久間、」

だから、俺から背中を押すではないけどさ、

．．．愛のムチを。

「お前さ、何で自覚あったのに、

俺に何も相談してくれなかったの？」

佐「それは、．．．」

佐久間の動揺したこの顔。

「もしして、収録がなしになることが怖かったの？」

佐「それは違う．．．」

「じゃあ、なに？」

佐「．．．気を遣わせたくなかった」

佐久間のその理由は、

あまりにも、

佐久間らしかった。

「なんで？」

佐「俺が、熱あるって知ったら、涼太優しいから。

俺に気を遣ってくれる。

凄い配慮してくれる」

「そりゃあ、こんな高熱君が隣にいればね」

佐「俺は、それが嫌だったの！」

佐久間が珍しく、俺に怒った。

佐「俺は、いつものグループにいるときの涼太そのものを

見てくれてるスタジオの出演者の方々や、視聴者さんに

見てほしかった！

だから、

いつもの涼太じゃないと、

俺に気を遣ってる涼太じゃ、

．．．ダメなんだよ」

佐久間。

俺にそんなに気を遣って、

「でも、俺もプロだよ？

それくらい隠せるって」

佐「分かってるよ。

．．．でも、俺の中では素の涼太じゃないもん」

こいつは、こいつなりに、

番組に対してただならぬ熱があるんだもんな。