佐久間の色の明日【5】 (ページ17)

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翔太side

ラジオもこれまでにないスピードで、進めていく。

本当に過去一の早さだと思う。

いつも収録が押して、巻きでってスタッフさん含めいろんな人に言われても

全く懲りないのに、

今回は、意地がそれに勝って、

マジでえげつない速さ。

それで、あと1つのコーナーだけってところで、

佐「しょった、．．．むりっ、かもっ」

「えっ、」

そう言った時には時すでに遅く

バタンッ

佐「おえっ、オエッ．．．ケホッケホッオエッオエッはぁっ．．．はぁっはぁっ」

「さくまっ！」

佐久間が、床にペタンと座り込んで、

背中がぴくぴくと跳ねる。

その目の前には、嘔吐物が

水たまりを作るように広がっていた。

「サスサス)大丈夫、大丈夫。

すみません！袋とか持ってたりしますか？」

外にいるスタッフさんに声をかける。

幸いにも、外にいるスタッフさんもすぐに気づいてくれて、

早急に対処してくれて、本当に有り難い。

「佐久間、ここに吐きな」

スタッフさんからもらった袋を佐久間の口元に運ぶ。

佐「オエッ．．．オエッオエッ、．．．フッフッケホッ」

「ゆっくりでいいからなサスサス)」

佐久間の背中は俺の片手でも分かるくらいに

物凄く熱かった。

「佐久間、少し落ち着いたか」

佐「ふぅふぅっ．．．コクリ)」

「ちょっとここ離れようか」

嘔吐物が広がるこの狭い部屋だと、

また吐き気が誘発されてもいけないから、

この部屋からとりあえず出たいんだけど、

佐「フラっ)」

「おぉ！大丈夫か？」

支えながら立たせた瞬間、俺の方に倒れてきた。

．．．本当に俺の方で良かった。

佐「．．．ごめっはぁはぁっ」

こいつ、本当に大丈夫かよ。