ビビンバ〜すのイルネス〜【6】

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ラウールside



何もすることがないから、


とりあえず、スマホでこの前送られてきたダンスの振動画を見てたんだけど、

そしたら急にさっくんが魘されはじめた。





悪い魘され方っていうわけじゃないんだけど、

なんか、急に泣き始めて。



なんか悪い夢でも見てんのかな？


すぐに治まるかもしれないから様子見ようかなって思ったんだけど、

全然治まらなくて、起こした方がいいかなって思って、






「ユサユサ)佐久間君、佐久間君、佐久間君」





肩を軽く揺らすと、パチッと目が開いた。






「佐久間君、大丈夫？」

佐「．．．ラウール？」

「うん。悪い夢でも見た？

魘されてたけど」

佐「．．．俺っ、．．．楽しいのかな？」







楽しい？


何が？





佐「おれっ、．．．このしごと、．．．楽しいのかな？」


「楽しくないの？」

佐「わかんなっ、．．．楽しいのにっ．．．好きなのに。

なんでっ、．．．おれっ．．．なんでっ」






言葉に詰まったようにまた泣き始めた。





「佐久間君、少し起き上がろう。

寝転がったまま泣いたらしんどいよ」




そういって、座らせようと手を貸そうとしたんだけど、




佐「やめっ！」





俺の手をはじいて、自力で座ったんだけど、

自分でも何してんだろうって顔してる。




佐「．．．ごめっ、いやっ、そういうことじゃなくてっ


あのっ、．．．ほんとっ、ごめっ」



「大丈夫だよ。大丈夫だから。


俺こそごめんね。急に触って。嫌だったよね」



佐「ちがっ、えっとっ、．．．だからっ」






今はダメだ。


佐久間君のペースに俺が合わせないと。






「佐久間君、少しお水飲む？

ちょっと持ってくるね」






とりあえず、少しの間ひとりにした方がいいかなって思って、

部屋を出た。






バタンッ


「はぁ、．．．おれ、何やってんだよ」






部屋の扉を閉めて、そのままずるずるとしゃがみこんでしまった。

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