Orangeのままに【8】

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阿部side





「はぁはぁっ、康二はっ！？」




スタッフさんと話してた時に、舘さんが走ってきて、

康二が倒れたって。



ロケバスの中で休ませてるって聞いて、舘さんと一緒に走って駆け付けた。





翔「落ち着け、阿部。

今は落ち着いて眠ってる。

照が見つけてくれて、過呼吸になってた」






ロケバスの中で照の上着を被せてもらって寝ている康二は、

顔色も悪くて、一人にして申し訳ないっていう気持ちが込み上げてきた。





翔「阿部のせいじゃないからな」



それを見透かしたように翔太が、俺の顔を覗き込みながら話しかけた。




翔「俺らが遊びに行ってる間、阿部と一緒にいたのは知ってるけど、

でも、お前のせいじゃないからな。


自分のこと責めんなよ」






そういって、「康二が阿部に買ってきてたんじゃない？どっちか知らないけど」っていって、

2本のペットボトルを受け取る。

一本は水、そしてもう一本はブラックのコーヒー。

たぶん、コーヒーが康二のだろうな。

俺、ブラックはさすがに飲まないし。






ラ「康二君、体調悪かったのかな？」





康二を心配そうに見ていたラウールが後部座席に座って、

康二のことを心配したまなざしで見てた。




照「そういうわけじゃないと思う。

なんか、怖がってたっていうか、なんでだろ」







皆、康二が倒れた原因が何なのか、よく分かってない感じだった。


本人が起きてから聞くのが最善だけど、

何か過呼吸になる原因が嫌なこと思い出して、

とかだったらって考えると慎重になってしまう。





佐「ねえ、室龍太君だったら何か知ってるんじゃないかな？

だって、ずっと康二と仲いいわけだし。何か知らないかな？」


深「電話してみる」






室龍太くん。




康二が関西にいた時からずっと康二の隣にずっといて

支えてくれた康二の関西のお兄ちゃん的存在の人。




実際、俺らも何度かお世話になってる。

何を言っても温かく受け入れてくれて、でも先輩だからいろんなことを教えてくれる。


だから、康二もそんな龍太君に心を開いて信頼してたんだろうなって。







龍太君なら何か知ってるのか．．．。


俺らが知らない、康二の顔を、何か知ってるのか？




もしそうなら、教えてほしい。

なんでもいいから。

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