佐久間の色の明日【8】 (ページ10)

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深澤side

佐久間の話を聞くと、

声優の仕事のことが本人のプレッシャーになってるようだった。

でも、俺は知ってる。

佐久間が本当に凄いってこと。

おだてられて、声優の仕事が来てるわけじゃないってこと。

「お前さ、ブラクロの仕事が来た時のこと覚えてるか？

あれが佐久間の声優の仕事の出発点で。

あのアニメがオンエアされた後すげーいろんな人が佐久間のこと褒めてて

俺すげー嬉しかった。

佐久間が褒められたことが嬉しかったんじゃないよ。

佐久間が、声優としていろんな人の目に留まってることがすごい嬉しかった」

そうだ。

まだ、デビューして間もなかった俺らに認知度なんてそんななくて。

それを佐久間がアニメの世界の人たちに一気に広めてくれた。

そのきっかけを作ってくれたのがあの作品。

あれを見て、佐久間大介っていう存在がアニメ好きの人に広まって、

Snow Manを知るきっかけを与えてくれた。

「それに、そのあと白蛇の主演映画も決まって。

映画に声優で出るってこともすごいって思ったのに、それが主演で。

お前の声を皆で聞いた時は本当に鳥肌が立った。

俺の目の前にいたのは、佐久間じゃなくてその役そのものでさ。

舞台挨拶の時に、いろんな声優さんから佐久間がすげー褒められてるの見て、

ああ、本当に佐久間ってすげーなって。俺も負けたくねえって、

そう思えた」

佐久間の初の主演声優映画デビュー。

皆でスイートルームに集まって、映画見た時、本当に息を吞んだのを思えてる。

どんどん声優として成長して飛躍していく佐久間を誇らしいと思った。

佐「やめてっ．．．」

「それに、テレビアニメのレギュラー陣にまで選ばれて。

たった一回の役から始まったはずなのに、次出た時にはもうレギュラーなんてさ。

でも、その放送聞いた時には最初の面影もなくて、本当に出てる子になっててさ。

佐久間で入ってたはずなのに、終わるときにはミチル君としてその声を追っててっ」

佐「やめろよっ！」

佐久間を見ると、目から大粒の涙が溢れてた。

佐「やめろよっ．．．そんな褒めるな。

おれはっ、俺はそんなにっ．．．みんなの誇りになれるようなこと．．．何もっグスッ」

「誇りとか、もうどうでもいいじゃん。

俺は、佐久間の出てるアニメを見てすげーと思った。

それだけじゃだめか？」