佐久間の色の明日【8】

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深澤side











「．．．あっ、いた」







のどかな田園のふちに佐久間がいた。







「よっ！急にいなくなったからびっくりしたぞ」



佐「あっ、ふっか。

いや〜、こんなのどかなところ来ると佐賀のおじいちゃん家思い出して」


「あ〜、そういえば言ってたな。

小さい頃よく行ってたんだっけ？」


佐「うん。本当にこんな感じの田舎町でね。

かぶと虫捕まえに行ったり、川で泳いだり、

長崎の動物園行ったこともあったな〜」








そう話す佐久間の瞳は本当に懐かしむような優しい瞳をしていた。





「へ〜、いいな。今度俺も連れてってよ」


佐「え〜、ふっか連れてくの？」


「なんだよっ！？いやなのかよ！」



佐「はははは！冗談冗談！

いいよ〜！今度2，3日休み取れたら行こう！」








やっぱり、佐久間．．．空元気だ。








「佐久間、．．．最近なんかあった？」






佐「えっ、なに？ｗｗ


急に」





佐久間の顔が引きつったのが分かった。








「なんかあったのかなって」



佐「なんもないよ。


てか、急に話180度変わりすぎだろっ！ｗｗｗ」






「仕事上手くいってないのか？」




佐「．．．」












図星か。




佐久間が図星を突かれたとき、絶対に言葉に詰まる。



多分、本人もびっくりしてるんだと思う。







「嫌なことでもあったのか？


それとも．．．失敗とか？」



佐「いや、無いよ。


仕事は楽しいし、失敗もしてない」


「じゃあ、なんで．．．」





佐「この前、アニメ映画の出演が決まったこと言ったじゃん」



「ああ」











大抜擢だった映画か。



実際、俺らメンバー内でもすげー喜んだ。



佐久間がどんどんアニメの世界で通用するような人になってきてるんだって。


本当にメンバーとして誇らしかったから。















佐「．．．自信がねえんだよ。




．．．やり切れる自信が」















耳を疑った。







あんなにいつもどんな仕事でも“やってみないと分かんねえ”って言ってるようなこいつが。



やる前からこんなにも自信を無くしてるなんて。









「注目されてる映画で、主役だからか？」



佐「違う．．．」



「じゃあ、なんで？」














佐「＿＿＿＿＿俺は本当に、



















実力があってここまで来てるのか？」











佐久間からは絶対に聞いたことがない言葉が俺の耳に入ってきた。

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