佐久間の色の明日【8】 (ページ30)

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ラウールside

「んっ．．．」

眠っていた時に、ふと近くからする声が気になって目が覚めた。

時計を見ればまだ夜中の3時過ぎ。

いつもなら眠くてすぐに眠りにつくのに今日は違った。

ケホッケホッ！ゴホッヒュッハァケホッ

明らかにおかしな咳。

布団に顔を押し付けてるような音。

隣を見れば、明らかに変にこんもりしてて、

変に動いてる。

「佐久間君？．．．ちょっと、布団めくるよ」

一応間違ってても悪いから断りを入れて、布団をめくる。

佐「ケホッケホッゴホッ！ハァハァッハァッ」

でも、咳の犯人は間違いなく佐久間君で。

佐久間君は、自分の体を小さく丸めて一生懸命咳を我慢しようとしてた。

おかげで、顔は真っ赤で、汗もかいて前髪はおでこにへばりついてる。

「佐久間君！？」

深「んぅ？どうした？ラウ．．．」

ふっかさんが、俺の声で起きた。

「佐久間君が！ふっかさん、佐久間君が！」

深「っ！電気、電気付けるわ」

ふっかさんが電気をつけると、みんな驚いたのか

次々に起きだした。

深「佐久間、分かるか？

発作出ちゃってるな。康二、佐久間のバッグの中から吸入器出して」

康「分かった！」

ふっかさんが冷静に対処して、

なんとか大事にならずに済んだ。

佐「はぁっ．．．ごめっ．．．ヒュッ」

深「まだ、しんどいんだから。無理して話さなくてもいいぞ」

まだ、呼吸の整わない佐久間君は、真っ赤な顔して一生懸命に息を整えてる。

蓮「佐久間君。本当に、今さっき、発作が起きたの？」

翔「なに言ってっ」

蓮「だって、こんな大きな発作急に出るはずない」

確かに、めめの言ってることは一理あると思う。

阿「そうなの？佐久間」

佐「．．．ごめんなさいっハァ」

まさか、めめの言ってることが図星だった。

深「なんで、言ってくれなかったの？」

蓮「ラウールが、佐久間君が発作して倒れてんの見た時

絶対に怖かったと思うんだよ。

それなのに、なんで何も言ってくれなかったの？」

佐「．．．大丈夫だって過信してたっ。

ごめんっヒュッハァッ」

翔「目黒、そこまでにしてあげて。

さっきのさっきまで発作起こしてたやつだから。

佐久間、小さな発作かもしれなくても、大丈夫って思っててもちゃんと言って。

昔、そう約束しただろ？」

そう、しょっぴーが佐久間君を宥める。