佐久間の色の明日【8】 (ページ15)

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深澤side

ガチャ
「ただいま」

昼過ぎに仕事が終わって、家に帰ってきた。

舘さんは、買い出しに行ってるって言ってたから、

家には佐久間とラウールがいるはず。

2階に行ってラウールの部屋を覗けば、スヤスヤと眠ってる。

「床で寝てるってことは、寝落ちしたな」

床で気持ちよさそうに眠ってる。

でも、寝ているラウールにはタオルがかけられてあって、

佐久間がしてくれたのかなって関心。

そんな佐久間が見当たらない。

リビングにはいなかったよな。

てことは部屋か？

佐久間の部屋はラウールの部屋の2個部屋を隔てた、照と目黒の間に位置してる。

コンコン
「佐久間―、ただいま」

ノックしてみるけど、何も声が聞こえない。

佐久間も眠っちゃったのかな？

まあ、それでもいいやって思ったけど、

とりあえず顔だけでも見とこうって思って、佐久間の部屋を覗く。

バンッ！

「佐久間！」

佐「ハァッ．．．ハァ．．．んっ．．．ヒュッ」

部屋を覗くと、佐久間が自室の部屋で倒れていた。

「佐久間、佐久間！聞こえるか！おいっ！」

佐「ハァ．．．ハァッ．．．ハァッ」

受け答えも全くできない状態で、

ほとんど意識がない。

それに、脱力しかけている体なのに手を胸の位置でギュっと握ってる。

発作だ。

でもなんで？

ここずっと発作なんて、全然．．．。

ラ「どうしたの．．．？」

さっきまで寝てたラウールが俺の声で起きてしまって、

目をこすりながら佐久間の部屋まで来た。

「ラウール！救急車呼んで！」

ラ「えっ？

．．．佐久間君！

分かった！ちょっと待って」

最年少にこんなこと言うのは気が引けるけど、今は緊急事態。

そんなこと言ってる場合じゃない。

「佐久間、もう少しだからな。

頑張れ」

佐「ひゅっ．．．ハァッ．．．」

どんどん呼吸が深く長くなっていくのが怖かった。

ほとんど虫の息な佐久間を見るのは何度目だろうか。

身体にはチアノーゼが出はじめてる。

＿＿＿＿＿頼む。もってくれ！