Orangeのままに【3】

誰にも言えない（続き） ページ1

佐久間side




「ありがとう、照」

照「ああ」








楽屋に運んでる最中にコテンと眠ってしまった康二。


眠ってしまったとはいえ、その寝顔はあまりにも心地いいものではない。








ラ「康二君、どうしちゃったんだろう．．．」

阿「熱があるわけじゃなさそうだけど」





ラウールが康二のそばを離れなくて、阿部ちゃんは康二の額に触れてる。



確かに、俺が康二の背中をさすってた時も熱なんて何も感じなかった。

だから、体調が悪いわけではないと思うけど











ガチャ
照「ふっか、どうだった？」







スタッフさんと話していたふっかが戻ってきた。






深「とりあえず、今日は延期にしましょうって。

一応、急いで撮らないといけないほど詰まってはないから大丈夫だって。


あと、ここも急いで出なくていいみたい。

康二が起きるまでいてもらって大丈夫って」



舘「そっか、良かった」



深「康二に事情を聞くのは起きてからの方がよさそうだな」










康二は俺たちに何を隠してるんだよ。














照「佐久間、ちょっといい？」





照に呼ばれて、楽屋の外の廊下に出る。










「どうしたの？」


照「あの傷、今回のことに関係あると思うか？」





あの傷って、．．．康二の腹部にできた痛々しい傷のことか。





「．．．ないとは言い切れないっていうのが俺の考え。

実際、あの傷ってぶつけてできたような、そんな傷には見えなかった」






なんていうんだろう、自然じゃないんだよ。あの傷。





照「だよな。俺もそう思う」


「言いたいのは、山々なんだけど」








深「何を言いたいのが山々なの？」



照「ふっか！？」





ふっかが楽屋から出て、俺らの話を壁にもたれながら聞いてた。



てか、全くふっかがいたことに気付かなかった。






照「いや、だから．．．その」


深「ちゃんと俺らにも話して。

康二のことだろ？」



「．．．分かった。


話すから、楽屋に戻ろう」







康二は、知られたくないことかもしれない。


でも、このことを隠すには、やっぱりメンバーは欺けないよ。

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