深澤side ページ28
・
康「さっくんが！？」
談話室に康二を呼んで、事の詳細を全部康二に話した。
佐久間が目を覚ましたとこも、パニックになって過呼吸になったことも。
PTSDであることも、それがラウールにも起きる可能性が高いことも。
そのことを伝えると、康二は静かに涙を落とした。
阿「康二、あのね」
康「ふっかさん」
深「ん？」
康「ラウールも佐久間君も．．．戻れるやんな？
また．．．笑って．．．俺の大好きな2人に．．．戻れるやんな？」
涙を浮かべて俺の目をまっすぐ捉える康二の目は、あまりにも不安が大きかった。
そんな康二に、不確かなことは言えなくて。
でも、嘘をついてまで、メンバーを元気づけることはしたくなくて。
深「まだ分かんねえ。
まだ、犯人だって捕まってない。
ラウールと佐久間だって昨日今日目が覚めたばっかで状況判断なんてできたもんじゃない。
だから、大丈夫なんて、そんな自信持って言えねえ。
実際2人がパニックになったことを考えれば、大丈夫なんて程遠い言葉だし。
でも、俺らが支えないといけなくて、守ってやらないといけないことは紛れもないことだ」
これからが大変なことは目に見えてる。
2人のことも、俺ら自身も。
実際、2人が見つかるまで目黒や康二は精神的に崩壊寸前だった。
でも、いざ見つかって安心できる状態になっても、
2人の今の状況を見れば安心なんて程遠くて。
そんな姿を見れば、康二や目黒だけじゃない。
他のメンバーだっていつ精神的に崩壊するかなんて分かったもんじゃない。
康「なんでっ．．．なんでこうなってもうたんよ．．．」
涙を流す康二の姿は、
今の俺らの心の叫びを表しているかのように見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 717人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shin_chan
| 作成日時：2022年8月2日 23時
