阿部side ページ26
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照の気持ちが少し治まったころに、もう一度ICUに戻る。
でも、まだ佐久間は眠ったままで。
病院には似合わないほどに目立つピンクの髪色。
それでも、腕には点滴、口元には挿管チューブ。
佐久間の周りにもいろんな機械があって。
それを見れば、病人なことは一目瞭然で。
それが俺らの不安を掻き立てる。
照「佐久間？．．．佐久間っ？」
阿「どうしたの？」
佐久間の手を握ってた照が、急に慌てたように佐久間の名前を呼ぶ。
照「今、佐久間が俺の手をっ．．．佐久間っ！」
阿「佐久間！」
ゆっくり佐久間の瞼が開く。
照「佐久間？分かる？
佐久間っ」
先生が来て、佐久間の口からチューブが外されて、
代わりに酸素マスクが付けられる。
その後も、いろんな検査をしていくけど、
まだ佐久間は寝起きでボーっとしてる。
その間も俺らは、2人でボロボロ涙を流してた。
ただっ、
医「佐久間さん、大丈夫ですからねー。
ゆっくーり深呼吸できますか―？
大丈夫ですよー。
安定剤持ってきて」
看「はい」
佐「ハァハァハァハァハァハァっ．．．ヒュッハァハァ」
阿「佐久間っ！」
急に、佐久間がパニックを起こして過呼吸になった。
何とか精神安定剤を打ってもらって、疲れ切った佐久間はそのまま眠ってしまった。
その佐久間を起こさないように、一般病棟である個室に移した。
医「おそらく、PTSDですね」
深「それって」
仕事終わりのふっかも合流して3人で話を聞く。
医「心的外傷後ストレス障害といって、事故や何かしらの大きなストレスによって
トラウマになってしまうことを指します。
主な症状として、先ほど佐久間さんが起こしていたパニック症状や
ほかにも不眠など人によって症状は様々です。
佐久間さんの場合、おそらく犯人との接触があったのだと思いますが、
対人恐怖症になっている可能性が極めて高いです。
また、ラウールさんもおそらくは。
昨日取り乱したようですし、対人的なことではないでしょうが、
これから症状が出てくるかもしれません」
医者から言われたことは、本当に衝撃的なことで、
できることなら受け止めたくなかった。
ふっかは目を泳がせてるし、
照はさっきのこともあって、また目から涙がこぼれてた。
俺は、．．．放心状態だったと思う。
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作者名：shin_chan
| 作成日時：2022年8月2日 23時
