翔太side ページ21
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翔「なんでついてきたんだよ」
舘「迷子予防」
翔「何歳児だと思ってんだよ」
舘「5歳児」
なんとなく眠れなくて、暗い夜道を歩いて気を紛らわそうと外に出た。
そしたら、後ろからついてくる俺の幼馴染。
翔「なぁ、無事だよな．．．？
ラウールも．．．佐久間も」
ふと不安になった。
ずっと大丈夫だって、あいつらは強いからって
そう思ってたけど、やっぱり冷静になれば不安が押し寄せてくる。
舘「無事でいてほしいって思ってる。
見つかったとき、何にも怪我なんてしてなくて、また笑顔見せてほしいって．．．」
そんなの、俺だって。
舘「でも、．．．夢物語じゃない」
翔「どういう意味だよ、それ」
涼太の言葉に耳を疑った。
舘「誘拐されて、無傷なんてありえない」
翔「怪我してるって言いたいのか？無事じゃないって！」
舘「少なくとも、心はね」
涼太の胸ぐらをつかんでいた手に力を失った。
舘「誘拐されてるんだ。
今だってきっと怖い思いしてる。
ラウールは俺らの中でもしっかりしてるとはいえまだ可愛い子供だ。
怖い思いしてるに決まってる。
佐久間だって、そんなラウールと一緒にいるならなおさら強がってるよ。
ひと思いのアイツだって、俺らと同じなんだから」
そうだよ。
俺らは無作為に“無事でいてくれ”“怪我がありませんように”って。
そう思ってるけど、
今だってあの2人は恐怖に苛まれてる。
無事なはずないじゃないかよ。
翔「．．．くそっ！」
苛立ちが隠せない。
犯人にも、．．．俺自身にも。
舘「翔太。2人が帰ってきたとき、絶対にそばを離れないようにしてやろうな。
絶対だ」
翔「ああ、当たり前だろ」
こんな気持ち、どこに吐き出せばいいんだよ。
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作者名：shin_chan
| 作成日時：2022年8月2日 23時
