佐久間の色の明日 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:98 hit、合計:212,372 hit

・ページ15

佐久間side

阿「俺さ、昔、虐められてたんだよね。先輩のJr.に」

ラ「えっ．．．」

周りが音をなくしたかのように静かになった。

阿「それで、よく嫌がらせ受けててさ。

靴がなくなったり、メモした紙がビリビリに破かれて捨てられてたり。

そんな時、その時からちょっと仲良かった佐久間が、俺の代わりに今日みたいな倉庫に閉じ込められた」

今日と同じ。

全く開かなかった。

びくともしない、扉に怖くなった。

阿「俺、全然知らなくて。

いないことに気が付いた俺は佐久間のこと探しまくって。

それで、見つけた時には、今日みたいに、倒れてた。

佐久間は、俺がこれ以上虐められないようにって、俺の事庇(かば)って．．．グスッ」

蓮「阿部ちゃん。もういいよ。

ごめん、辛い事話させて」

めめが、阿部ちゃんに寄り添ってくれた。

阿「佐久間、それ以来暗い所とかダメになっちゃって。

俺のせいなのに。

それなのに、佐久間は全然俺の事責めもしないで」

「するわけないじゃん！阿部ちゃんは悪くないもん！」

悪くない奴責めたって、俺に何の得があるっていうのさ！

阿「佐久間、ごめんね．．．。

俺があの時、もっとちゃんとしてれば」

「いいよ。

あのおかげで、阿部ちゃんと本当の意味で仲良くなれたんだもん。

俺、生まれて初めてだったんだよ。

守りたい奴ができたの。

だから、これ以上自分を責めないであげて」

俺らは、シンメだからさ。

まぁ、共通点は0なんだけどさ。

でも、俺の安心剤は阿部ちゃんだから。

阿部ちゃんも「佐久間といるときが一番ほっとするわー」って言ってくれたら、俺はそれでいい。

end