34 支度 ページ34
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カーテンを開け、目を開かせたところで顔を洗う。
水はいつも桶に汲んであるから、その冷たい水で顔を洗う。
「うぅー、タオルタオル...」
タオルは桶のある台に掛けてある。
ふかふかのタオルは、近くの雑貨屋さんのもの。
「えっと、えっと...」
次に軽く化粧水を塗って、着替える。
着替え終わったら〜メイク!
「いや、メイク...と言ってもリップだけだけと」
はい、そうなんです。
実はリップしかしません...そもそも周りの女の子でメイクしてる子なんて少ないから。
あれ、私の周り男性ばっか...
「よし、コーヒー飲みに行こう!」
自分で誤魔化すのも大切です。
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「おはようございます〜」
「おー」
「今日冠鯨いたの見ました!?
今日はラッキーな日になりますよ〜」
「さっき真上いたぞ?
近くだったからここら真っ暗になったのに」
「ええええ本当ですか!?
うわあ、もうちょっと早く来とけば...」
この世界では、この世界を反射する空に鯨が泳いでいる。
空は海であって、その海はこの世界を反射させる。
鯨達は遠い所まで泳いでいたり、この世界に近いギリギリな所を泳いでいたり...
その中でも、冠を被った1匹の鯨は幸せの象徴。
見ただけでも幸せになれるし、その距離が近ければ近いほど良いとされ、さらに市場の日になるとそれはもういい事がある...とかね。
「楽しみな1日になりそうですね!」
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作者名:しゅほ | 作成日時:2019年5月1日 2時