episode1 ページ2
貴女side
来いと言葉を吐き
私を置き去りにし
外に出ていってしまう彼の後ろ姿
貴女「じゃあ皆さん、私はこれで失礼しますね」
そう言って先に行ってしまった彼の後を追う
貴女「ジンさん!待ってくださいよ…置いていくなんて酷い…」
彼の愛車の前で拗ねる
ジン「フン…とっとと乗れ」
だが、相手にされてないのは分かるが…
貴女「分かりました…」
なんか、怒ってる?
黙って車を走らせる彼が口を開いたのは
さっきまでいたセーフハウスから
だいぶ離れた場所まで来た時だった
ジン「ピンガの奴に何してやられたんだ…」
ワインかけられた時のことか…
誤魔化したら頭撃ち抜かれそうだし
それはそれでありかな…いやっ…
まだ死ねないからな…
ここは正直な話をしよう
貴女「あぁ〜…あの人、ジンさんのこと野郎呼びしたんですよ…」
ジン「は?」
貴女「あなたのことを野郎呼びしたから…許せなかったんです…それについて謝罪を求めたらこの有り様ですよ」
ジン「お前…バカだろ…」
貴女「だって!……だって…自分のことは好きに言われてもいい…けど」
あなたのことをけなされたのは許せない
貴女「好きな人のことは…許せないですよ…」
ジン「本当に面白いな…お前」
貴女「酷い!」
ジン「それで、ワインかけられて腹立って瓶で殴りつけたのか…」
貴女「いえっ、腹が立ったというよりは、やり方がぬるかったんで…御手本を見せてあげようかなと…」
ジン「手本か…」
貴女「そうですよ…私は酒癖の悪い奴にいつも瓶で殴られ続けた…あの程度ぬるいですよ…」
ジン「そうか…」
貴女「瓶で殴られて、辺りに破片が飛んで…割れた瓶の先端で殴られたこともありましたし…たかが、ワインをかけるだけなんてぬるい…ぬる過ぎる…」
だから、この人は
育った環境で瓶で殴られたことがないんだ
そう思った時
何故か気に入らなかった
多分、今思えば
無意識のうちに嫉妬したんだと思う…
恵まれた環境で育ったという所に
だから…
貴女「………っ!?」
過去の出来事を思い返していると
ふと優しく私の頭に触れる手
彼の冷え切った手はグローブ越しでも分かる
それでも、充分に温もりを感じる
何故か
彼は私と同じ境遇だったのかもしれないと
触れる手がそう感じさせる
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蒼鳥華香(プロフ) - socoさん» ありがとうございます笑頑張りますね笑笑 (9月28日 1時) (レス) id: 507a40ec7e (このIDを非表示/違反報告)
soco(プロフ) - シティーハンタ〇は面白いですwwwこの小説とても面白いので続き楽しみにしています! (9月27日 23時) (レス) @page2 id: 77539e2974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼鳥華香 | 作成日時:2023年9月25日 1時