◇ ページ3
四宮side
顎痛い...ジンジンする
阿倍野ちゃんやっぱ特級だもんねぇ、私が叶う筈ないのはわかってたんだけど、手ぇ出しちゃった
つかここ暗いぃー私は一生阿倍野ちゃんの腕の中にいたかったー!
まぁいいんだけど。頭冷えたし
仕方ないのは理解してるしね。
私は静かに目を閉じた。
(私が、したかったこと...)
ーー
『おかーさーん』
小さな私。
『なぁにー？』
顔の見えない誰か。
『あたし女の子が好きなの』
正直な私。
『ーーーーーーーーーーー』
この人には理解してもらえなかった。
ー
『おとうさん、』
弱い私。
『何』
強い誰か。
『...なんでもない』
消えたい私。
『ーーーーーーーーーーー』
この人にも理解してもらえなかった。
ー
『人が好き？』
最近通っている古びた寺。
『私は嫌いだ』
返事はない。
『可愛いなぁ』
何時も見に来てる黒い髪の綺麗な女の子。
『学校行かないのかな』
いつきてもいる子。
『お話したいなぁ』
この子も嫌いになっちゃうのは嫌だった。
『誰か来た』
買い物袋を下げた窶れた大人。
『帰ろ』
振り返り目についた細く開いている倉庫の扉。
『...少しだけなら、いいよね』
歩きだす足。
『空気が重いみたい』
薄暗い倉庫。
『刃物？』
箱が開いた薄い刃物。
『綺麗な色』
濁りの一切ない鋼色。
『痛っ』
吸い込まれる様に触ると血が出た。
『え...』
流れ出た血が吸うように刃に染み渡る。
ー
『はぁ、はぁ、はぁっ』
荒い息づかい。
『何、してたん、だっけ』
赤黒い床と散らばる何か。
『なんか、楽しかった...』
手にした凶器。
『大切、で、大好きだったのに、なぁ』
嗤う誰か。
『なに、したかったんだっけ』
ーーただ、また人を愛して、大切にしたかった。あの子のことを、知りたかったんだよーー
ーー
目を開けるときっちりとした人がいた。
(あぁ、阿倍野ちゃんのこと、私知ってたんだ)
目の前のゴーグルみたいなものをつけた人に連れられて私は何処かに行く。
「もう、臓物はみたくないなぁ」
「...誰でもそうでしょう」
返事を貰くれたその人の手には何か書かれた包帯でグルグル巻きにされた屶のような形のものを持っていた。
もう武器も握りたくないなぁ
ー臓物は、気持ち悪いんだったー
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ねこくらげ(プロフ) - 莉緒さんコメントありがとうございます！此処まで一気読みとは...！！ありがとうございます！！！ (2022年2月20日 16時) (
レス) id: 164103a512 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒 - 一気読みしました!!続きが楽しみです！ (2022年2月20日 15時) (レス) @page23 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこくらげ | 作成日時：2021年9月7日 16時
