月下美人【青】 (ページ8)

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お兄ちゃんの足の間。ここにいられるのはきっと、彼女とか、そういう関係の人だけだとばかり思ってたから………、

こうして、置いてくれるのが嬉しかったり。

翔太｢……ちょっとさ、お前声でけーわ。｣

｢…………｣

翔太｢ちげーって。妹寝そうだから、静かにして。｣

たまに、女の子より優先してくれたり。

翔太｢………そんな痛えの？あれだけで？｣

………かと思ったら、ズキってしたり。

翔太｢あ？………あー、うん。そうそう、｣

どんどん冷たくなってるような声色。
めんどくさいって思ってるの、女の子にばれちゃいそう。

…………ばれちゃえばいいのに。

勝手におもしろくないって思ってるわたしの気持ちなんか、きっとお兄ちゃんは知らないだろうけど、

｢…………｣

後ろにいるあったかさと、安心感で胸はいっぱいなの。

もたれかかってうとうとしてるから、
たまーに顔をのぞきこんで確認してくるのも、

知ってるもん。だから、寝てないよ？って見つめるの。

………ほんとは眠いけど、後ろに体を預けても、どうしても眠れないのは

｢…………、｣

脇腹から回した左手で、わたしのお腹のあたりを、とん、とん……って、してくれるのが嬉しくてたまらないから。

心地よいリズムでわたしを撫でてくれるこの手が、ずっと寝かせてくれないの。