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美香｢知ってたの？わたしが、翔太のこと好きって｣
深澤｢見てりゃわかるよ。すげー顔に出てる、｣
美香｢…………｣
深澤｢けっこうがんばってプッシュしてたじゃん、なんで諦めようとしてんの？｣
どうしてここで話すの………、
こういうときに限って先生はゆっくりだし、
カーテンを開けることもできないまま、どうしたらいいかわかんない。
美香｢ちょっとね………邪魔なのがいたから、｣
深澤「邪魔？女の子？｣
美香｢…………いいよ、辰哉くんは知らなくて。｣
どきり、と心臓が跳ねる。
………ちがう、よね…
でも今朝の口調だったら、
深澤｢なんで俺が好きなんて嘘つくの、｣
美香｢さみしいもん……何回会っても、寝ても何しても、わたしのことは見えてないみたいだし。｣
深澤｢ふは、欲求を満たすための深澤ってか。｣
口をあけて笑う深澤くんが浮かぶ。なんだか………すっごい大人の会話を聞いてるみたいで胸がどきってする。
美香｢でもやっぱり諦めないことにする。翔太の彼女になるよ。｣
深澤｢そうそう、その意気だよ｣
美香｢………辰哉くんは、誰が好きなの？｣
ごくり、って反射的につばを飲みこんでしまう。
カーテン越しに伝わる空気がピリリとしているのが、これでもかってくらいわかる。初めからあまり聞きたくなかった会話は、
やっぱり聞きたくない方向に進んでいく。
深澤くん、今は言わないほうが………
深澤｢Aちゃんだよ。知ってる？翔太の妹、｣
美香｢………………、｣
ほらもう………
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
