038 ページ38
ぽつり、ぽつり…って歩いてきたのはいいけれど、そう簡単に入れたもんじゃない。
先生たちは知らないのかな。
ここが、お兄ちゃんみたいな人の聖地だってこと。
１年生のわたしたちにはまだ、あんまり馴染みのない場所だけど。噂によると保健室の先生が、
そういうことあんまり気にしない人だって……
｢入らないの？｣
ノックしようかな、やめようかな。
ドアの前でどうしよう…ってしてたそのとき。
パタパタってスリッパを鳴らして歩いてきたその人は、わたしを見てにっこりと笑った。
阿部｢ん？風邪引きさんでしょ？｣
｢………あの、｣
阿部｢保健室の先生です。｣
首からかけてる名札を見せて、
のんきに笑う先生。すっごくかっこいい。
この人が噂の阿部先生……。
だってほら、見るからにモテそうなルックスだもん。
阿部｢お熱なんだって？先生が言ってたよ、｣
｢あ、でも………べつに｣
阿部｢んー？遠慮しないでいいからね？｣
そうじゃなくて、そうじゃなくて……、
このドアを開けたくないっていうか、その
阿部｢あ、もしかしてさ。妹ちゃん？｣
………ほら、
阿部｢なるほどね、そりゃ入れないわけだ。｣
そう言いながら、ノックもしないでガラガラってドアを開けて進んでいく阿部先生。
………いいのかな、
恐る恐るわたしも足を踏み入れて、
ちらちらっとあたりを見回した。
阿部｢ほらほら先生来たぞー、やめろよー。
さっさと服着て出てこーい。｣
｢ちょ、先生……｣
阿部｢いーのいーの慣れてっから。ほら、そこのベッドにいんの誰だー。｣
カーテンの向こう、うっすらと人影が見えた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2036人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
