検索窓
今日:45 hit、昨日:1 hit、合計:275,719 hit

034 ページ34

.

恋って、近くにいる人が有利だってそう聞いたことがある。





でもうまくいかないの。





ドラマみたいに、禁断の恋だって何だって、
そのまま両思いになって、くっつくなんて。

今のわたしたちからは想像もできないこと。
わたしのこと見てないもん。





傍にいたって、向いてる先はいつも女の子で。
別に好きでもないし、気になってもいない、

ただ体を重ねるだけの子たちが何人も。

日替わりで、今日は誰?って。名前すら覚えてないような、かわいいだけの女の子。





それでもみんなを満足させてしまう、虜にさせてしまうお兄ちゃんは、どんな魔法を使ってるの。

できることなら解いてほしいよ、わたしも……







あのままお風呂に行っちゃったお兄ちゃんの背中に、もうなんにも言えなかった。


深澤くんじゃなくて、

ほんとはお兄ちゃんが好きだって、
どうせ言ったって笑うくせに。





本気に思わないでしょ。でもわたしは、体だけの関係なんて持ちたくない。深澤くんだって、

やさしいし、甘えさせてくれる。わたしのことを好きでいてくれるにはもったいないくらい、


かっこよくて、賢くて、よくできる人。





なのに、何回好きって言われてもそっちに向かないのは、お兄ちゃんのせいなんだよ……って、気づいてくれる日は来るの?







テレビの音をかき消すみたいに、リビングに鳴り響く着信音。辿ればそれは、お兄ちゃんのスマホで。






画面には「美香」の文字。



さっきまで電話してたくせに、また?

出てきたらまたかけ直して、長電話が始まるんだろうな……って考えたらまた嫌になって。






………なんか怒ってたし、

なんとなく今日はもう話したくない。







そう思って、お風呂から出てくる前に自分の部屋にこもった。けど、

やっぱり目を閉じる前にいつも思うんだ。
お兄ちゃんは、









…………誰が好きなの、って。

035→←033



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (427 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2036人がお気に入り
設定タグ:渡辺翔太 , SnowMan , 深澤辰哉   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年7月20日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。