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翔太｢いろいろと問題だろ。俺がお前にしたら、｣
頭をぽんぽんってして、脇に手を入れてきて、
よいしょ…って膝から下ろされる。
………問題だから困ってるんだもん。
こんなに好きなのに、誰もわかってくれないでしょ。なんでばかにするの。
いつもちょっとだけ期待させて、突き落として、何が楽しいの。
モテるし、わたしなんて視界にも入ってないでしょ。
かわいい女の子が夢中になってくれて、
もっと喜んだらいいのに。
いっつもめんどくさそうな顔して、だるそうに。
だからモテるの？みんなそれがかっこいいの？
わたしだけの………
になったら、いいのに。
お風呂に向かおうとするお兄ちゃんの背中を、｢ねぇ｣って呼び止める。
パーカーのファスナーをおろしながら、｢んー？｣って。なめてるから、言ってあげる。
｢みかちゃん、かわいいね？｣
翔太｢は？｣
｢すっげーえろいちゅーして、たのしかった？｣
翔太｢…………｣
ほら、なんにも言えないんだもん。否定してくれたらね、ちょっとは望みもあるのに。
いつも余裕そうなお兄ちゃんが、
少しだけ顔をくもらせた瞬間だったの。あんまり見ないその顔が余計に苦しくて。
｢外でもするんだね、あんなこと。｣
｢女の子うれしそうだったもん。｣
｢きっと大好きなんだよ、お兄ちゃんのこと。｣
ばか。
ばーかばーか。
ちょっとぐらい困っちゃえばいいって思ったから、言ったのに。イラついたような横顔が、
わたしに向かってつぶやくの。
翔太｢お前も、あんな甘えるんだな。｣
翔太｢ふっか、好きじゃないっつったくせに。｣
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
