月下美人【青】 (ページ31)

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翔太｢んー？｣

｢どんなちゅーする？｣

缶ジュースをかたむけながら、ぱちって目が合う。

翔太｢それ聞いてどーすんの、｣

｢……ん、｣

翔太｢しろってか？｣

……からかわないでよ、知らないくせに。
ほんとにしてって言ったら困るでしょ、

遠回しにこんなこと聞いて、また自分から傷つきにいってるの。あんな、ちゅーの仕方……

された女の子は、きっとはまっちゃうんだろうね。抜けられない渦の中にさ、ずるずるって。

｢ねぇ、どんな？｣

翔太｢んー？そりゃもう、すっげーえろいの。｣

｢すっげーえろいの？｣

翔太｢そう。やったげよっか？｣

向かい合わせになってるから、近いの。

ふふってお兄ちゃんが笑えば息がかかるくらい。

急に目が真剣になってね、ゆっくりゆっくり、
唇が近づいてくるのが見えた。

あーこのままだったら触れちゃう。

キスしちゃう、

そう思ったらやっぱりだめで。

｢…んっ、｣

触れる寸前だった唇から逃げて、イヤイヤって、お兄ちゃんの胸にぎゅう…って抱きついた。

ふふって頭の上から笑い声がして、｢しねーわ｣って。

ねぇ、本気だったらどうした？わたしが逃げなくても、ほんとに触れなかった？

いちいちドキドキして、もたないんだよ毎日。