月下美人【青】 (ページ4)

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なんにも言わなくなったわたしを見て、

がしがしってだるそうに頭をかいて。

翔太｢ほら、兄ちゃん電話すっから。｣

｢…………なんで、｣

翔太｢しろしろってうっせーからだよ。｣

｢誰が？｣

翔太｢んー？…………さ、っき会ってたやつ。｣

ほら、わかんないの。

名前覚えられないって、いつか言ってたもん。

今だって、さっきまで一緒だった女の子すらわかんないの。

いっぱいいるからでしょ、もう。

……なんて、してるうちに。

翔太｢ほらぁ、催促してんじゃねーか。｣

テーブルの上で震えるお兄ちゃんのスマホ。

着信画面を見て、めんどくさそうな横顔。

｢………させればいーじゃん、｣

翔太｢だーめだって。会ってくれなくなったらどうすんの。｣

｢………なっちゃえ、ばーか｣

ばーか。

翔太｢何、じゃあお前が相手してくれんの」

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