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自販機の影から、すっごく遠くから、見ただけなのに。
深澤｢こんなお兄ちゃん想いな妹いて、
翔太は幸せもんだね？｣
｢………、｣
深澤｢……早く辰哉くんのとこおいでよ。｣
行かない。こんなの見たって、行かないもん。
くずだって、女たらしって、わかってても好きなの。
………わたしもくずかな、
まだ深澤くんの腕の中。
やっぱり見たくなくて、
今度はわたしのほうからぎゅうってしてる。
胸に顔をつけて、いやいやって。
お兄ちゃんが見たら怒るね。
深澤｢あーほら、またちゅーしてるよ｣
｢………もう、っ｣
深澤｢ふはは、ごめんごめん。｣
やわらかい笑い声が頭の上から聞こえる。せっかく見ないようにしてるのに、言わないでよ………
今日から、しばらくは消えなそう。
焼きついちゃったなぁ……お兄ちゃんのえっちなキス。
でも、だるそうな、めんどくさそうなその顔がやっぱりかっこよくてね。
あんな近くで見てもらえるあの子、いいなぁって。気持ちがなくても、
キスしてもらえてうらやましいって。
深澤｢今日は早く帰ってくるの？｣
｢ん、……わかんない。｣
深澤｢ふーん。……ま、あの様子だとまだ離さないね。あの子、
相当翔太に惚れてるみたいだし。｣
知らない。
くず。女たらし。好きなだけちゅーしとけばか。
…………今日は梅干しごはんにするから、
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
