月下美人【青】 (ページ3)

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また洗面台のほうに戻っていって、しばらくして

聞こえてきたドライヤーの音。

聞き慣れたそれに、

お兄ちゃんがちゃんと帰ってきたことを

実感して、ふっと安心する。

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２つちがい。

顔も性格も似てない。

再婚同士だったママとパパ。

７歳と５歳。

その日からわたしたちは、兄妹になった。

ずっときらいだったのに。

いつからか特別な気持ちを、持っちゃったの。

………あ、

翔太｢…んだよ、｣

ちっ、ってちいさな舌打ちとため息が、

胸の真ん中にぷすりと刺さる。

翔太｢なぁ、眠くねえの？｣

｢………ん、｣

翔太｢何、邪魔したいわけ？｣

…………ほら、

翔太｢兄ちゃん今から電話しなきゃなんだけど、｣

｢…………｣

翔太｢なぁ、聞いてんの？｣

ぎゅう…って腕を掴まれる。

｢やぁ…｣

翔太｢んもー…イヤイヤすんなって、｣

めんどくさそうな顔。

なんだよこいつ…、って思ってる目。

掴まれた腕を振り払ったら、呆れるお兄ちゃんの顔はやっぱりイラついてて。

ちょっとこわくて、黙り込んだ………