月下美人【青】 (ページ18)

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なんっにも知らないくせに。

わたしの恋なんて、誰が応援してくれるの？
みんな認めない。お兄ちゃんだってそうでしょ？

どっかに行っちゃうのがこわくて、

必死に気持ちおさえて、おさえきれなくなってはこうやって…

翔太｢……お前さ、｣

｢なんで、｣

だっておかしい。

こんなのおかしいもん。

深澤くんにぎゅうってされたから、こんなところまで連れてきたの？

わたしが好きなのかと思って、勘違いして、
こんなにぎゅうってしてくれたの？

どきってさせといて、違うってわかったら
安心したように笑って、よしよしして、そんなの……

｢………お兄ちゃんには関係ないもん、｣

翔太｢んー？｣

｢……誰を好きになっても、いいでしょ、｣

なんでこんなこと言ってるんだろう。お兄ちゃんが好きって、伝えられないから強がってる？反応が見たくて、試してる？

でもこんなに、大事大事…ってされたら、
きゅーってするもん。苦しいもん。
だからきらい。

無意識、って言葉はずるすぎるよ。

翔太｢……いいよ俺は。お前が誰を好きになろうと。｣

｢………」

翔太｢関係ねえもんな？
どんなに遅く帰ってこようと、夜中に誰と電話しようと自由。｣

｢…………｣

翔太｢じゃあこの手は何だよ。｣

ばか。

ばーか。

ん？って、わたしの顔をのぞき込むお兄ちゃんはもう、いつものいじわるに戻ってる。

服をぎゅうってしてるわたしの手。

その手首をきゅ…って握って、この手はなぁに？って。

自由なのに、なんで女の子と絡むと怒んの？って。

そんなこと言われたらもう黙るしかないもん。

それもわかってて言ってるから、きらい。