月下美人【青】 (ページ15)

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いつもセットしてる髪とか。顔がでかいって言われてるけど実は体が小さいだけなとことか、

歯を見せて笑った顔が
天使みたいな深澤さん。

でも、その見た目からは想像できないくらいに、ちょっと強引で、テキトーなことばっかり言うの。

あいつだけは気をつけろよ、って。お兄ちゃんもいつも言う。………いっつも一緒にいるくせに、

深澤｢離さないよー笑｣

｢ふか、……くんっ｣

深澤｢ぎゅー。｣

はは、ってうれしそうに笑いながら。
お兄ちゃんの言葉も聞き流して、さらに腕に力をこめてくる深澤くん。

離れようとしても、すり抜けようとしても。
お兄ちゃんよりずっと細くて弱そうな腕なのに、やっぱり男の子なんだね……。

でもやだ。

……お兄ちゃんが見てるもん、

深澤｢あ。舌打ちしたー、｣

ほら、もう。

こんなとこでぎゅうされてたら、お兄ちゃんの立場が悪くなっちゃうから。

だから、だもん……

わたしが深澤くんにとられるから、とかじゃないもん。その怖い目。がんばっても、

思いつづけても、きっとお兄ちゃんの目には映れないの。

どきり、と心臓が音を立てる。

…………ねぇ、深澤くん知ってる？

お兄ちゃん怒ると怖いの。

いつも怒ってるけど。

翔太｢なぁ、｣

ほら、

翔太「………離れろっつってんの。｣

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