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お兄ちゃんを前にして、なんだか急に恥ずかしくなって、ぼわってほっぺが染まるのが自分でもわかる。
翔太｢何、なんか借りにきたんじゃねーの？｣
………う、
そう、なんだけど………、
深澤｢なにもう、すっげーかわいい。｣
｢……あのね、｣
深澤｢この兄ちゃんいじわるだからさ、俺が｣
翔太｢ふっか。今言おうとしてっから、シー。｣
“ん、何？”
そう、深澤くんを遮ってこっちを見てくれる。
あーもうだめだ。こんなことでも、きゅう…って苦しくなっちゃうんだ。わたしは。
｢……お弁当、わすれたの。｣
翔太｢は？俺もう食ったよ、｣
｢………うん、知ってるけど……｣
かばんに入ってなかったんだもん。
今日すっごい急いでたし。
お兄ちゃんに朝からあんなことされて、頭もおかしくなっちゃうよ。
………覚えてないだろうけど。
深澤｢はい、じゃあこれ。｣
あげるー、って
にこにこしながら渡してくれたのは、
きっと深澤くんが食べるはずだったおかず。
白米だけ食ったからさ、って。
｢でも…………｣
深澤｢いいっていいって。Aちゃん好きだもん俺、｣
｢………んー…｣
深澤｢なんならおはしも貸そうか？初めてのちゅ、｣
翔太｢金もねえの？｣
深澤くんの言葉も、バッサリ切り捨てるようにして、お兄ちゃんがめんどくさそうに言う。
………あったら買ってるもん。
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
