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だめだめ。
だまされないもん。
………かっこいーけど、
｢………も、はやく起きてってば……｣
ようやくほどかれた腕でお布団を回収して。
お腹冷えちゃうと思って、めくれあがったスウェットの裾を直してあげ………
翔太｢何、どきどきすんの？｣
引っ込めようとした手をまた、きゅ…ってつかまれる。
｢…ち、ちがう！お腹冷えちゃ……、｣
言い訳しようとした、その刹那。
その手がぐいって引っぱられて、ぐるんって、一瞬にして変わる景色。
翔太｢………｣
言葉につまる。めんどくさそうに投げられた体は、ぐわん…ってベッドを軋ませて。
………むかつくのに。
下から見上げるお兄ちゃんは、ずっとずっと、かっこいいから嫌いだ。
｢………ん、｣
耳の後ろ、ちょこんってはねた髪の毛。
……いっつも同じところにつくね。
なんて、余裕だったのに
翔太｢…………腹へった｣
そうつぶやいたお兄ちゃんの、わたしを見下ろす目がなんだか鋭くて。ちがう意味にさえ聞こえてしまう。
けど、言い捨ててスタスタ行ってしまうから
わたしは、こうして置き去りのまま。
苦しい気持ちで体がいっぱいになる。
いつもの女の子なら、
こうしてベッドに引きずり込んで、
朝から愛してあげるの？
舌打ちなんかしないで、好きなだけ甘えさせてあげるの？
…………お兄ちゃん、
.
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作者名：恋 | 作成日時：2021年7月20日 1時
