阿部担の彼女に勝てない【橙】 (ページ42)

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深澤「なんかレアなのいるの？この辺」

「レアって？」

深澤「あれ、ポケモン
探してたんじゃないんだ？(笑)」

「あぁ～。残念ながら違います(笑)
えっと、お店、探してて。」

コレなんですけど、と見せてくれた画面には

深澤「あ、ここ、
俺がこれから行こうとしてたショップ…」

「え、本当に！？」

ガバッと顔を上げて嬉しそうな顔。

深澤「ん、すぐそこだよ。…一緒に行く？」

「いいんですか！？
ありがとうございますっ！」

とびきり笑顔で答えるもんだから
不覚にもきゅんてきちゃった。

佐久間が構いたくなる気持ちもわかるな。

なんてね。

キャップをまた元に戻して目元に影を落とし
目的地まで歩き出す。

当然隣を歩くかと思った彼女は
予想外にも少し間を空けて

2メートルほど俺の後ろを歩いた。

なんでかなんて聞かなくてもわかるその配慮は

俺がアイドルなんかをしているから。

康二ともこんな風にしか
外を歩けないのかな。

ちょっと切ないけど、

だからこそ康二はこの子が大好きで、

お互い愛し合っていられるんだろうな。

って。

少し康二が羨ましくなった。

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