【忍たま・天女】ここまで願ったわけじゃない。

罪のない者を ページ17

久作「僕が泣いた事、誰にも言わないでくださいね。」

　久作と約束をし、私は図書室を後にした。

　廊下に出ると、久作も一緒に廊下に出てきて、「また来てください」と、手を振ってくれた。

　私が曲がり角を曲がって見えなくなるまで、ずっと手を振ってくれていた。

久作《天女様・・・じゃ、なくて、A様・・・》

　様つけるんかい。吹き出しそうになったわ。

久作《綺麗だったな、優しかったな。・・・明日また、会えたらいいな///》

　・・・・・・。

　また一人、罪のない者を、惚れさせてしまった気がする！

　・・・敵じゃない事は伝わったね！←開き直り


　空はすっかりオレンジ色、外にいる忍たまも全然いない。

　夕焼けを見ていたら、なんだかしんみりとした気持ちになった。


　私のいた時代では、どうなってるのかな。

　時間感覚は？あれからやっぱり時は進んでるのかな？

　夢みたいな日だったけど、夢じゃない事はわかる。私・・・帰れるのかな。

　家族の顔が思い浮かんで、会いたくなった。

秀作「どうしたの？」

A「・・・・ちょっとした、ホームシック？的なものです。さ、行きましょう？次は何をするんですか？」

秀作「つ、次は、夕ご飯だよ。忍たま達は自分達で作るけど、僕たちは食堂に行こうか。」

A「はい。」

　歩き始めた小松田さんの背中を追いかける。

　すると、小松田さんは急に止まって、振り向いた。

秀作「寂しかったら、僕に甘えてもいいんだからね？」

秀作《僕がAの兄のような存在になれたら・・・力になれたら》

　ふんわりとした小松田さんの笑顔をみて、目の奥がツーンとした。

　嬉しいなぁ。なんて優しいんだろう。

A「ありがとうございます、小松田先輩。」

口先だけの男よ。→←なおそ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す