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自覚のない想い ページ46

伝わってくる、ローレンスさんのWCKDに対する強い怒りが。


「……WCKDを襲撃するつもりですか?」


「君たちが友人を助ける邪魔はしない」


「…………」

これ以上の答えはきっと教えてもらえないだろう。
私はブリスをローレンスさんに渡した。彼がこれを使うか使わないかわからないけど、関係ない。

取引を成立させることが私の役割だから。


「君たちが友人と出会えることを祈ろう。ギャリー、残ってくれ。我々の作戦を立てようか」

ちらっとギャリーを見ると、彼は大丈夫だ、というように頷いた。ローレンスさんに頭を下げて、部屋を出る。



1人になった廊下の隅でしゃがみ込む。

手が震えてる。ローレンスさんが怖かったわけではないのに。
思っていたより緊張した。

息を吐いて、腕に顔を埋める。
これからの覚悟を決めないといけない。泣き出すことがないように。





きっと、彼は待っていてくれてるから。















たった1人でテーブルに座り込んだ背中は、弱々しく見えた。




「……取引は上手くいったよ」

振り向いたニュートが小さく笑みを浮かべる。


「よくやったな」


「うん」

一緒にいる空間が、こんなにも心苦しく感じるのは初めてだった。










「……私をわざと突き放すような言い方をしたのは、感染していたから」


「そう遠くない未来、僕は狂ってしまう。君を守ると決めたのに、守れそうにない……それに、だんだん自分を失っていく姿を君には見られたくなかった」


ウイルスに蝕まれた血管の範囲は想像していたより広かったのを思い出す。

ニュートの考えは当たっているかもしれない。
何も気づかずにいたから、私は今こうして自分を何とか保てている。

立ち止まることが許されない状況だから。



「……黙っていてごめん。突き放すような言い方をしたことも後悔してる。僕は君を傷つけてばかりいるな」


「ううん、もう謝らないで」

血清がない現状で、実際にできることは限られていただろう。


それでも、怖かったはずだ。1人で抱えるには大きすぎるから。



ニュートにとったら負担になるかもしれない。役に立たないかもしれない。
でも、ニュートの苦しみや悲しみに寄り添いたかった。一緒に背負わせてほしかった。




1人で全て抱えていたニュートを思うと、正気じゃいられなくなりそうだった。





「ニュートは、誰にも言わずに1人で抱え込むのは怖くなかった?誰かに寄りかかりたくならなかった……?」

君が、理由なんだ[ニュート]→←残された時間



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設定タグ:メイズ・ランナー , 紅一点 , ニュート   
作品ジャンル:SF
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(プロフ) - risaさん» コメントありがとうございます。その複雑な感情、私にとっては最高の褒め言葉です。嬉しいですね、何度も読み直しています。応援してくれてありがとうございます。これからも一緒にメイズランナーを見届けてもらえたら幸せです。 (2022年8月5日 18時) (レス) id: d11b046bc6 (このIDを非表示/違反報告)
risa(プロフ) - 完結まで頑張ってほしいけど終わってほしくない…!というという複雑な感情です笑頑張ってください! (2022年8月5日 11時) (レス) @page47 id: 154610999c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 金魚さん» 金魚さん!また読みに来てもらえて嬉しいです!そしてコメントも残してくれて、本当にありがとうございます!メイズランナーの世界を一緒に楽しみましょう!私のことまで気遣ってくれて、私は幸せ者です。ありがとうございます。 (2022年7月21日 19時) (レス) id: d11b046bc6 (このIDを非表示/違反報告)
金魚 - 更新ありがとうございます!やっぱりこの作品が好きなのでとても嬉しいです!!続きを楽しみにしておりますが、灰さんのペースで楽しんで書けることを願っています! (2022年7月21日 12時) (レス) id: 60316f025e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 猫魔さん» コメントありがとうございます。長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。私には恐れ多いお褒めの言葉をありがとうございます。胸にしっかり刻んで今後の更新に繋げていけたらと思います。また遊びに来てくれたら嬉しいです。 (2022年7月13日 11時) (レス) id: d11b046bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年9月24日 16時

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