目覚めた先に ページ21
ぼんやりと意識が戻っていく、光の眩しさを感じながらゆっくりと身体を起こせば誰かに身体を支えられた。
「大丈夫か？」
「うん、もう大丈夫」
支えてくれたニュートに頷き、座り直す。
私たちはマットの上にいた。
ニュートは私の隣にて、私の前にはテレサとトーマスもいる。
「よかった、身体は辛くない？」
「うん、心配かけてごめんね」
テレサに微笑みかければ、ふいにトーマスが私の方に近づいてきて、手を伸ばす。
何をするのか分からずにいれば、そっと指で下瞼を捲られる。
じっと左右の下瞼を見比べるように見たトーマスは、はて、と首を傾げて離す。
「どうしたの？」
尋ねれば、トーマスは苦笑いする。
「いや、さっきクロフォード博士って女の人が君の下瞼を見てたからさ。何か分かるかなって思ったけど、よくわからないや」
「A」
そのときニュートから呼ばれて彼の方を振り返る。
すると今度はニュートの指が伸びて、私の下瞼を捲った。
トーマスと同じようにニュートも私の下瞼をじっと見る。
なんだか急に恥ずかしくなって、顔に熱が集まっていくのが分かった。
「っ、ニュート…？」
顔の熱を感じながら呼びかけたそのとき、ニュートがパッと手を離す。
「わかった。あの男が見たときもさっきの博士が見たときも、今よりも下瞼が白っぽかった。今は違う」
「本当かい？」
トーマスがもう１度私に近づこうとしたとき、「もういいでしょ」とテレサが止めてくれた。
彼女は私に優しく微笑むと、目の前にお皿を３つ並べる。
「貴方のためにとっておいたお皿が３つあるの。食べられるだけでいいから食べて。ちなみにこれは私が盛り付けたお皿よ。こっちがニュート、で、これがミンホ」
「ふふ」
「おい、なんで笑うんだよ」
いつの間にか近くに来ていたミンホが、私のおでこを軽く小突く。
「ミンホらしいなって思って。テレサもニュートも、皆ありがとう」
下げた頭を上げれば、４人は笑ってくれた。
「よ、A。俺の腕前には負けるけどなかなか美味しかったぜ」
「よく言うよ。未だにその手にあるチキンは何個目だい？」
笑顔のフライパンと呆れたように彼を見るウィンストン。
私が“WCKD側”だと知ったのに、変わらない態度で接してくれる２人が有り難かった。
でも、ふと頭を過ぎる。
私はまだ２人に話していない秘密がある、と。
「あのね、私２人に隠してたことがあって……」
フライパンとウィンストンが顔を見合わせる。
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灰(プロフ) - ゆかりさん» ゆかりさん、コメントありがとうございます。私には勿体ない言葉ばかりで恐縮ですが、とても嬉しいです。パワーが漲って参ります！更新を再開しましたので、ぜひこれからも遊びに来ていただけると嬉しいです。コメントを残してくださり、本当にありがとうございました。 (2019年5月13日 21時) (
レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
灰(プロフ) - ふわりんさん» ふわりんさん、コメントありがとうございます。そして、とても遅い返信になってしまい申し訳ありませんでした。久しぶりにここへ来てコメントを発見し、とても申し訳ないとともに、有り難い気持ちで一杯になりました。本当に励みになります、これからまた頑張ります！ (2019年5月13日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - はじめまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！私もメイズランナーが大好きなのですが、灰さんの書かれるお話が面白くて更新を楽しみにしています(^^)背景描写やキャラの心理状態の書き方が丁寧で読みやすくて引き込まれます！これからも応援してます(^^) (2019年5月12日 23時) (レス) id: 6d37aeb524 (このIDを非表示/違反報告)
ふわりん - 初めまして♪この作品の更新をいつも楽しみにしてます！これからも更新頑張ってください。応援してます♪ (2019年4月22日 18時) (レス) id: 17d42863df (このIDを非表示/違反報告)
灰(プロフ) - Hatomuraさん» コメントありがとうございます。おお、私もなんです。全３部作と聞いたので公開が終わるまで待っていたのですが、もっと早く見れば良かったと後悔しました(ノД`)そう言っていただけて、書いて良かったなと思えます。ゆっくりペースですが、これからも更新頑張ります！ (2019年4月11日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰 | 作成日時：2019年3月26日 19時
